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平成30年7月7日(土)第68号

* 思わず行ってみたくなる♪文化浴情報

素直な「祈り」は、こころの眼をクリアに開く・・・

//bunkayoku.com/point/2018/06/post-93.html

 

* 身も心もイキイキ!文化浴&ウォーキングコラム

◆祇園祭の原点

コンチキチン♪ はじまりましたね、祇園祭♪ 7月、京都では古都の夏を彩る祇園祭が1ヶ月間行われます。

平安時代、都では人口密度の高まりに伴って、夏場に前代未聞の大規模な疫病が流行りました。朝廷はこの疫病を、政治の裏で非業の死を遂げた死者の怨霊として祀り、祟りを鎮める「御霊会」を行いました。

しかし、その後も伝染病は続き、さらに全国的に地震や富士山の噴火などの災害が相次いだのです。そこで祇園精舎の守り神である牛頭天王(素戔嗚尊)を勧請し、六十六本の鉾を立て、神泉苑に祈願したのが祇園祭のはじまりです。

祈る心は朝廷ばかりではなく、住民らも体力、財力、学力、技術を投じ、祈り、神輿や山鉾を絢爛豪華なものに仕立て上げ、千数百年かけて風習を培ってきたのです。

立場や身分を越えて町ぐるみで、自然や人を畏れ敬い、自らの傲慢を諭す1ヵ月間。それが祇園祭を楽しむ上での、大切な心得なのかもしれません。

◆祈る心

先日の地震に続き、この記録的な豪雨。私の自宅近くの嵐山渡月橋は、あと僅かで桂川の濁流に呑み込まれそうです。

ただ、ただ、ただ、、、祈るばかりです。

一見非科学的な「祈り」ですが、科学が発達した現代でさえも、天災、人災を前に無力に打ちひしがれ、祈ろうとする心は同じですね。

素朴な「祈り」が心のうちから湧き出ることを、今まさに感じながら、このメルマガを書いています。

◆パニック障害で消えたアイドル

1980年代、アイドルとして活躍していた比企理恵さんをご存知でしょうか? 昨日のTBS系「爆報!THEフライデー」という番組で、テレビ界から消えた比企さんは、長年パニック障害を患い、「人生終わりだと思った」ほど、追い詰められていたと語っていました。

トラックの音が気になって一睡もできない・・・お弁当に入っている人参を誰が作ったのか気になり出したら呼吸困難・・・パニックを起こしたらどうしようと不安になって、さらにパニックになる・・・苦しみの悪循環。

通常、パニック障害は薬やカウンセリングなどで治療していくそうですが、比企さんはあるところへ行くようになって、パニック障害を克服できたといいます。

その、あるところとは?

◆祈りの効力

神社だそうです。友達と一緒に神社にお参りに行ったそうです。そこから調子が上がってきたといいます。

それは医学的にみても、理に適っているようです。「祈る」ことで気持ちを集中させると、脳の前頭前野が活発になるのだそうです。それがパニック障害の原因、偏桃体を抑制することに繋がり、症状が治まっていくというのです。

比企さんは1年間、週に2度、神社に通い続けてパニック障害を克服したそうです。以来すっかり神社の魅力に魅せられ、現在までに400社以上の神社を参拝したとのこと。

私自身もそれには非常に共感します。私自身、最初は仕事上といえど、社寺巡りが習慣になったことで、一瞬にして清々しくなったり、救われたり、希望を持てたり、元気が出たり・・・言葉では表し尽くせぬ恩恵に満たされるようになりました。

そういった経験から、まるで文化財はセラピーだと感じて当法人を設立し、「文化浴の森」と命名しています。

◆脳科学と祈り

「良い未来を創り、新時代の幸福をもたらすのは、究極の利他行動である『祈り』の実践」と言い切るのは、脳科学者・中野信子医学博士。

祈りといっても、それは宗教や信仰に基づいたものではなく、ざっくりと言うと、自分と周りの人々のよい未来を願うことだそうです。

ただし注意したいのは祈りの質。祈りの中にはネガティブな祈りとポジティブな祈りがあり、嫉妬、怒り、恐れ、不安といった感情が込められた祈りは、逆に脳内にストレス物質を分泌します。

これに対して自他すべての幸福を願う前向きな祈りは、脳内に快感物質を分泌させ、心身に好影響をもたらすそうです。

◆敵も含めたみんなの幸せを祈り続ける

最初は自分のことだけであっても、次第に家族、恋人など愛している誰かの幸せを祈るようにして、それができるようになったら、苦手な人や敵も含めたみんなの幸せを祈るようにしてみると良いそうです。

それは、誰かに何かをしてもらいたいという受身で利己的な喜びではなく、積極的で利他的な幸福感。

つまりワールドカップや出世競争、国際問題でも、相手を叩きのめそうと考えず、敵だと思っていた人の幸せも祈れるようになれれば、脳内快感物質はいっそう分泌されるそうなのです。

こうして自己の範囲を拡大し、世界に寄与していると感じられる「祈り」を行えたなら、そこから得られる自己効力感はとても大きくなり、脳にとっての喜びも極大になるわけです。

比企さんはその領域に到達されたのかもしれませんね。

◆今年の祇園祭は・・・

祇園祭で尊ぶ怨霊は、いわば敵。地震、豪雨、伝染病となって姿を現す、恐ろしい不安の塊。その存在を、丁重に祀る儀式はまさに究極の利他の「祈り」。

脳科学的にみても、町ぐるみで一丸となって執り行ってきたことで、町中の人々の脳内に、どれだけの快感物質を分泌させてきたことか!その効果たるや計り知れません。

受け継がれてきた背景には、それ相応の効力や意義があることを感じます。

例年以上に、大規模な天災が多い2018年夏。祇園祭講座を無事に開催できることを祈ります。

開催できた暁には、あらためて千数百年の歴史に織り込まれてきた祭に心から祈り、楽しみたいと思います。ぜひ、脳内快感物質を分泌させて、幸せを共有しましょう!

 
 
 

平成30年6月30日(土)第67号

* 思わず行ってみたくなる♪文化浴情報

ぼけ~っと...花の色は うつりにけりな いたづらに・・・

//bunkayoku.com/point/2018/06/post-94.html

 

* 身も心もイキイキ!文化浴&ウォーキングコラム

◆ナニワナデシコ・ランウェイ

先日、近鉄文化サロン阿倍野にて、「いつまでも元気に歩ける足づくり!足・靴・歩行のフットケア講座」3回目を講義して参りました。

自分の足に向き合い、靴や歩き方を見直すことで、いつまでも元気に歩き続けるための基礎が身に付く講座です。これは一生モノのスキルです。

先日は「歩き方」を学ぶ回。 お一人ずつ歩きクセをチェック&アドバイスさせて頂きたく、お一人ずつ歩いて頂きました。

「さながらファッションショーみたいやねぇ!」と、16名の見目麗しきナニワナデシコによるランウェイは大盛り上がり!

そこで発覚したのですが、9割のナニワナデシコに共通していたキケンな歩きクセって・・・何だったと思います?

 

◆ドス!ドス!

ドス!ドス!ドス!ドス! 何と皆さま、勇ましき足音!

ドス!ドス!ド~~~スッ! ドスコ~~~イッ!!

さすがはナニワナデシコ。 大地を割らんばかりの勇ましさ。

それは着地の時に、かかとを地面に打ち付ける足音。

一見、かかとからきちんと着地して、元気よく大股で歩いている・・・イコール、ナイスなのかと思われるかかと着地音ですが、それ、かなり危険ドス!!!

絶対にヤメテ~~~!

割れるのは地面ではなく、自分のかかと、膝、腰・・・ですから!!

想像してみて下さい。毎日何千歩、つまり何千回、重く長い大きな体を下支えする小さなかかとに、勢いよく全体重の衝撃を与えていることを。毎日、何千回もハンマーで叩きつけているようなものです。

それでは、かかとが荒れたり、痛くなって当たり前!膝や腰、全身に響いて当たり前と思いませんか?

あなたも、意外と・・・ドスコイ歩きしているかもしれません。足指の力を鍛え、かかとよりも足指で全身を支えながら、やさし~くかかと着地を!

 

◆猫背

次に多かったのが、猫背。

「首根っこを掴まれる」という表現がありますが、首根っこを掴まれると、どんな動物でも動きが制限され、自由を奪われます。猫背はまさしく首根っこを掴まれた体勢。

つまり、自分で自分の首根っこを掴み、動きづらい、歩きづらい姿勢を作りあげてしまっているのです。

胸元には肺や横隔膜といった、呼吸を司るとても大切な臓器が入っています。息(イキ)は生き(イキ)る源。猫背で胸元を圧迫させながら歩いても、有酸素運動にはなりません。浅い呼吸を繰り返すばかりで、全身の代謝は悪くなり、体力が落ちる一方です。

全国的にみても、ハッキリとご発言することで有名なナニワナデシコですが、とは言ってもやっぱりやまとなでしこなんですね!謙虚さが猫背に表れているのでしょうか。

どうしても視線も下を向けて歩くクセが身に付いてしまっているようなのです。が!控えめは言葉だけにしましょう(笑)!!

視線が少しでも下を向いていると、首根っこ掴まれ体勢になってしまいますから。胸を上げ、20~30メートル先を見ながら、歩きましょう!

 

◆ナニワナデシコ変わる!

というわけで、歩行の基本ポーズをいくつか覚えて頂き、お一人ずつ、歩きクセをアドバイス。

60分後、再び行ったナニワナデシコ・ランウェイでは、何ということでしょう!!

猫背ドスコイウォーキングが、見違えたではありませんか!互いに、「全然違うやん!」「変わったわ~」と賞賛の嵐!

この歩き方を体に覚えさせ、続ければ続けるほど、足の指は強くなります。毎日足指を数千回筋トレするようなものです。毎日数千回第二の心臓をしっかり使えることになるのです!

 

近鉄文化サロン阿倍野では7月6日(金)10:00~、同講座を3回シリーズで開催しますが、すでにお申し込み多数。まだ席はありますが、

その他、リビングカルチャー倶楽部の梅田校、高槻校、枚方校でも7月から、同講座を開講します。詳しくは、こちらをご覧くださいね!

//www.tomoye-salon.com/blog/2018/06/post-97.html

 
 
 

* 思わず行ってみたくなる♪文化浴情報

宗教と科学。自然と人工。心と物・・・ 一見相反するもののエネルギーバランスをとりながら・・・

//bunkayoku.com/point/2018/04/-0082.html

 

* 身も心もイキイキ!文化浴&ウォーキングコラム

おはようございます。 関西の皆さん、 先日の地震は大丈夫でしたか?

私は無事だったのですが、茨木市に住む兄の家は、家具や家電が倒壊する程度の被害がありました。地震当日は勤め先の大阪南部から遠回りして、電車やバスを乗り継いで3万歩かけて京都へ帰ってきました。

こういう時こそ家族や友人、人と人の繋がりが何よりも大切だと実感しています。

そして、あらためて東日本大震災、熊本地震で被災された方のことを思っています。他人事にしてはいけない。

皆さんが、一日も早く元気になられますよう、一日も早く復興されますようお祈り申し上げます。

 

◆「方丈記」にみる災害記録

山くづれて川を埋み、 海かたぶきて陸をひたせり。

土さけて水わきあがり、 いはほわれて谷にまろび入り、

なぎさこぐふねは浪にたゞよひ、 道ゆく駒は足のたちどをまどはせり。

いはむや都のほとりには、 在々所々堂舍廟塔、 一つとして全からず。

・・・これは「ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず」で始まる、鎌倉時代に鴨長明が書いた有名な随筆「方丈記」の一節です。

言わずもがな、「方丈記」はこの世の無常観を綴るエッセイで、清少納言の「枕草子」、吉田兼好の「徒然草」とともに日本三大随筆と呼ばれています。

実はこの「方丈記」、長明が若い頃に京都で体験した大火、辻風、福原遷都、飢饉、地震に関する5つの災害記録の文学としても高い評価を受けています。

先の一節は、元暦2(1185)年、壇ノ浦の戦いの4ヶ月後、M7.4の大地震が京都を襲った時の様子といわれます。

山くづれて川を埋み=山崩れ、海かたぶきて陸をひたせり=津波?琵琶湖か?土さけて水わきあがり=液状化、いはほわれて谷にまろび入り=崖崩れと解釈できます。

 

◆人は今も昔も同じ

また、現代訳「家の中に居れば押し潰されてしまう。走り出れば、地割れに遭遇する。羽が無いから空を飛ぶこともできない。龍ならば雲に乗れるのに・・・。恐ろしいものの中で、最高に恐ろしいのは、地震だと思い知らされた・・・

・・・(塀の下敷きで亡くなった)子を父母が抱えて声のかぎりに泣き叫んでいたのが、あまりにあわれで、悲しい思いで見ていた」とも。

「何日かは強い地震が20~30度も連日発生し、だんだん間遠くなっていったが、結局3ヶ月ほど余震が続いた」とも。

さらに「月日が重なった後には、口に出して言う人もいない」と災害の記憶が風化しやすいことも指摘しています。

 

◆先人の教えを心に

鴨長明はエリート街道を約束された神官の子として生まれたのですが、不運にも若くして父を亡くし、その後も望む地位に就けない波乱の人生でした。

最終的には出家し、日野の山里に「方丈庵」(3メール四方の簡易木製テント)に隠棲し、世の無常を綴ったのが「方丈記」です。

望み通りにいかない人生や愛する家族も肩書も財産も一瞬で奪う戦乱、災害を目の当たりにし・・・辿り着いたのがテント暮らし。理に適っていますね。

今も昔も自然災害の前で人は、無力です。地震の予測ができないのは今も全く変わらない。

先人の教えを心に響かせながら、日本は大昔から、常に揺れ続けてきた国だということを、忘れちゃいけないですね。

 

 
 
 

日ごろから文化を基軸に

ゆるく繋がる大切さを思っています。

名付けて「ゆるい家族」。

 

「淡交(たんこう)」

君子の交りは淡きこと水のごとし(荘子)

 

悠久の歴史文化の中で

ゆるく楽しく、あっさり清らかに

多様な繋りを育むことが

人間関係には大切と思っています。

 

ほんとうの家族がいようがいまいが。

そんな澤野の考えの一部が掲載されました。

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毎日新聞 2018年7月10日号

 

 
 
 

** 文化浴の森 情報便 **

平成30年6月16日(土)第65号

 

* 思わず行ってみたくなる♪文化浴情報

3分間お遍路さんの瞑想タイム

//bunkayoku.com/point/2018/05/post-90.html

 

* 身も心もイキイキ!文化浴&ウォーキングコラム

暑くなったかと思えば、昨日はブルっとするほど肌寒かったですが・・・体調崩していませんか?

不安定な気温、鬱陶しい雨・・・嫌ですね。

でも、繊細に季節が移り変わるこんな時こそ、季節感をじっくり感じて、自然本来のリズムとその中で育まれてきた感覚を、研ぎ澄ましてみませんか?

 

◆旧暦さつき

旧暦で言えば今は五月(さつき)。 梅雨に入り、田植えをする季節。 さつきは「皐月」とも書き、「皐」は水辺の平らな地、岸辺のことだそう。また、白い光を放出する様子を表しているとも。あぁ~とゆるやかに声をのばして、魂を呼ぶ声のことも「皐」というそう。

「さつき」の「さ」は接頭語で、神にささげる稲関連を表すという説が有力だそう。田植えの月=稲の苗を捧げる月というわけですね。田植えをする女子のことを「早苗(さなえ)」や「早乙女(さおとめ)」といいますが、その「さ」も同じだそうです。

新緑、水の煌き、光り輝く季節。岸辺に広がる田畑に、田植え歌を歌って田植えをする早乙女の姿・・・ささらを持って豊作を祈り舞う田楽衆の姿・・・そんな光景が浮かんでくるようです。

◆五月雨・五月晴・五月闇

「五月雨(さみだれ)」は梅雨のことだそうです。さみだれの「みだれ」は「水垂れ」のこと。現在、5月(新暦)の快晴を五月晴(さつきばれ)といいますが、旧暦時代は「五月晴れ」といえば、梅雨の晴れ間のことを意味したそうです。

「五月闇(さつきやみ)」という言葉もあるそうで、それは梅雨の陰鬱とした暗さを表します。「闇」といっても夜の闇のみならず、昼夜を問わず、じめじめと薄暗い陰鬱さも表すそうです。

門構えに「音」で「闇」。この字を見ていると、闇の世界は視覚よりも聴覚優位であることを感じます。

◆聴覚

人は五感を使って脳に情報を送っていると言われますが、受け取る情報の83%は視覚に頼っているそうです。次いで聴覚が11%、残りの嗅覚3.5%、味覚1.5%、触覚1%だと言われています。視覚が驚異的に高いのです。

現代人はどんどん視覚のパーセント率が高くなって、その他の感覚の衰えが高まっていると言われています。

聴覚は五感の中でも、原始的な感覚器官。鳥のさえずり、かみなりの音、人の話し声・・・視界にも入っていない、匂いもしないのに、ほぼ正確に位置関係を把握することができます。

普段何気なく行っている、「音から方向を捉える」ということは、実は凄いことなのですね。しかも、上下左右全方位に360度の全天球で音は捉えることができます。

その機能が、生きていく上で「危険を回避する」という、とても大切な役割を担っているのです。

ぽつぽつ・・・ビタビタ・・・ザァーザァー・・・どんな音かな?なんだか少し、五月闇の日が楽しみになってきませんか?

あなたに備わる素晴らしい聴覚を、梅雨時の文化浴で研ぎ澄ましてみませんか?梅雨の陰鬱な環境は、聴覚磨きに最適ですから!!

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◇ 発行・編集:(一社)文化浴の森 澤野ともえ

 

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** 文化浴の森 情報便 **

平成30年6月9日(土)第64号

 

* 思わず行ってみたくなる♪文化浴情報

水面に時空を感じれば・・・梅雨も暑さもしのげる♪

//bunkayoku.com/point/2018/05/post-89.html

 

* 身も心もイキイキ!文化浴&ウォーキングコラム

おはようございます! 梅雨入りしましたね。 不安定な天候が始まり出しましたが、元気に過ごして参りましょうね!

◆世界が注目!最強の寝たきり予防法

6月6日のNHK「ためしてガッテン!」では、今、全世界で注目されている筋肉&血管を強くする!"最強の寝たきり予防法"が紹介されていました。

そこで取り上げられていたのは、定年後、毎日1万歩歩いているご主人と、運動嫌いで社交的な奥様。どちらが寝たりきりリスクが高いと判定されたと思われますか?

・・・何と意外にも!ご主人の方だったのです。

◆その予防法とは?!

従来からとっても大切と言われてきた運動や食事ではなく・・・

ずばり!

人に親切にすること。 人との繋がりを作ること。

それが最強の寝たきり予防法だそうです。前述のご主人は、お一人で黙々と歩いていらっしゃって、定年後、人との繋がりを失っていらっしゃったことが、その判定結果になったようです。

◆人類の歴史の中で作られた共助システム

カルフォルニア大学での研究によれば、人に親切にすることで、体の中の炎症が抑えられるというのです。

「炎症」は、血液中の免疫細胞が病原菌などをやっつけるために必要なのですが、炎症が長く続くと筋肉や血管にダメージを与えます。

その結果、筋力が衰え、動脈硬化から脳卒中や心筋梗塞などの病気になり、寝たきりになってしまいます。

カリフォルニア大学では、1日3回「自分がうれしいことをするグループ」、「人に親切にするグループ」、「世の中の役に立つことをするグループ」に分かれて実験。

その結果、「人に親切にするグループ」の体内では炎症が起こらなくなったそうです。

相手がよりよい方向に変わった時、自身にも喜びと癒しがもたらされ、いっそうよい方向へ変わっていきます。

こうした利他行動は、人間が進化する過程で、「生き残るうえで有利な集団」になるための方法として、発展してきたと考えられています。

「人に親切にする」ということも、「人との繋がり」があってこそ、できることですよね。

イギリスでは今年1月に「孤独担当大臣」が誕生して、国をあげて数百万ポンド(数億円)の予算を付けて、対策に乗り出したほどです。

◆ワイワイしながら○○!

じゃあ、人と繋がっていれば歩かなくていいの?! というわけではありませんよ。

運動がある程度効果があることは明らかですから、一人でしっかり運動するよりも、グループで軽めの運動をする方が、介護予防効果あり。というわけです。

例えばカラオケ好きの人であれば、2人よりも5人くらいでワイワイと歌う。さらにカラオケだけでなく隣のファミレスでワイワイ食べると、相乗的に良いことが起こるのじゃないか?とのこと。

詳しい内容は以下をご覧くださいね。 「人とのつながりチェックシート」も是非お試しあれ♪

//www9.nhk.or.jp/gatten/articles/20180606/index.html

◆文化浴の森でワイワイ!

私自身、長年、多くの50歳以上の人とワイワイと京都のまちを歩かせて頂いています。確かにその時、その後、私自身が幸せに満ちて、心底イキイキします。

もともとは一人遊びが好きで、群れたり集団で騒ぐのが好きではない性格ですから、集団に入る時、結構ストレスを感じてきました。

ですから一人行動の方が平気です。一人カラオケ、一人ファミレス、一人ウェディングのモデルにまで抜擢された経験もありますから(笑)

これを私は孤独とは言わず、自立と捉えています。大人同士が良好に繋がるためには、まずは自立した言動や精神が必要ですものね。

依存的な精神では、例え繋がりを多く持っていてもかえって逆効果でしょう。

私の講座にご参加下さる方はお一人様がほとんどですが、私自身元来そういう性格ですので、お一人様が勇気を出して、講座にご参加下さることが、とても嬉しいです。

そんな方が最初はお一人でも、時空を超えて文化を浴びながら歩くうちに・・・

「綺麗ですねぇ~」「飴ちゃんどうですかぁ」「どちらからですか」「大丈夫ですか」なんて互いにお声を掛け合って、いつしか繋がりあって、ワイワイと歩いています。男女年齢関係なく。

そんな皆さんのお姿を見ながら歩く時間が、私自身、最高の幸せです。皆さんに、まさに、人類の進化で築き上げてきた生存能力の賜物を感じていますヾ(*´∀`*)ノ

人との繋がりを適度に持ちたいな♪ 京都の知らないところを歩いてみたいな♪

少しでも、そう思われる方、どうぞお気軽に、私澤野まで、メッセージをお寄せくださいね。まずは、以下の講座でお会いしましょう(*^▽^*)

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* 身も心もイキイキ!文化浴&ウォーキングコラム

◆生活習慣を変えたYさん

死ぬのかも・・・身長170センチ、体重70kgあったYさんが、なんと40kgを切ってしまった。それは35歳頃。

不摂生な生活習慣が原因で痩せこけ、誰もが不治の病と思い、本人もそう思い込み、落ち込み過ぎて、更に痩せこけたという。

そこで健康劇が始まった!さまざまな本を読みあさり、健康法を試し、生活習慣を変えたという。そして5年で大体のことが掴めたそうだ。

現在73歳のYさんの健康診断結果を見せてもらったが、なんとオールA。生活改革してから長年意識していることは、「息食動想環(そくしょくどうそうかん)」だという。

◆息食動想環とは

息(呼吸) 食(食事) 動(行動) 想(想い・考え方) 環(環境)

「息食動想環」は、明治生まれ仙台の医師、橋本敬三(1897-1993)が、民間伝承の健康法を自ら実践し、自分の肉体の変化から掴んだ健康法「操体法(そうたいほう)」の哲学だ。

どんな呼吸をして どんな食事をし、

どんな行動をして どんな想いや考えをするのか。

そして・・・ どんな環境に身を置くか。

それぞれ相関関係にあって、常に繋がり補い合って、心身のバランスを維持しているから、どれか1つが高まれば、他も高まり、1つが崩れると他も崩れる。それを「同時相関相補連動性」という。

◆息食動想環のポイント

そのバランスの基準は「快」。つまり気持ちが良いということ。

その「快」は60点くらいがちょうど良いという。どれか1つが飛びぬけ100点ではなく、すべてが万遍なく合格ラインというのがイイ感じというわけだ。まさに自然療法の哲学。

Yさんが最も大事と言われたのが息(呼吸)。息(イキ)は生(イキ)ル根源だ。根源ゆえに、息の仕方で日々、ひいては人生が決まると言っても過言ではない。

息は吸うより吐くことを多めにすることがコツだ。歌うことや読経はおススメ。読経でアトピーや喘息が治った話もよく聞く。

食(食事)は、穀類菜食:動物食=7:1の割合が良いという。人間は進化の過程で動物食から植物食へと変わっていったという。その証拠が上下32本の歯にあり。

歯の構成は臼歯(20本):犬歯(4本):門歯(8本)=5:1:2。臼歯は穀物をすり潰す歯、犬歯は肉類を噛む歯、門歯は野菜を噛み切る歯だから、それに準ずるのが自然というわけだ。

動(行動)のコツは、気持いいことは体にいいという感覚。息を吐きながらふんわりと、自分の体にとって快か不快かを判断して体を動かせば、それでいいそうだ。

例えば笑顔。最初は作り笑顔であっても、口角を上げていれば、脳内ホルモン「セロトニン」が増えて幸せ!元気!になることが科学的に証明されている。

想(想い・考え方)は、いつも気持ちのよいことを考えること。そうすれば脳内ホルモンが湧き出てきて、免疫力を強化する。

最初の4つ「息食動想」は自分次第で何とかなる。しかし、環(環境)だけは相手があることで、一見、自分次第というわけにいかない。

できれば変えられる環境は、変えてみる努力を。不快な場所や関係からは逃げて、快の場所や関係を多く持つ。旅行、転職、引っ越し、結婚、離婚、転校など。

そして意外にも、「息食動想」という内なる自分を変えることで、自分を取り巻く「環」も変わるという。

◆今のあなたはそれぞれ何点?

「息食動想環」で人生は決まる。

今週末は少し立ち止まって、それぞれの快適さが何点くらいか?チェックしてみてはいかが?

 
 
 

** 文化浴の森 情報便 **

平成30年5月26日(土)第62号

 

* 思わず行ってみたくなる♪文化浴情報

こんなところにも愛がキュンキュン!!

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* 身も心もイキイキ!文化浴&ウォーキングコラム

◆外反母趾になっていませんか?

外反母趾とは、足の親ユビ(母趾)の付け根が足の外側に押し出され、"くの字 " に指が変形する状態を言います。内反小趾は小ユビ側が同じように変形する状態を言います。

痛みが発生しない間は外反母趾や内反小趾に気づいていない人、気にしない人も案外多いものですが、靴が合わなくなり、足元が不安定になるため、膝や腰に負担がかかり、血流も悪くなります。

最初は痛みがなくても、だんだん曲がりが大きくなり、やがて歩くだけで頭へ突き抜けるような痛みが発生する場合もあります。

◆ヨーロッパの外反母趾事情

今から200~300年前。ヨーロッパでは一般市民に靴が普及するようになりました。200~300年前といえば、日本は江戸時代ですから、まだ草履や草鞋を履いていた時ですね。

その頃、ヨーロッパの人々は外反母趾に悩まされていたといいます。何故なら、靴に対する知識がなかったから。適当に買って、適当に履いてしまって、足を悪くしていたのです。

そこで当時のヨーロッパ人は、これではダメだ~!!ということで、消費者が知識を身につけ、靴を買う時は多くの時間を費やすようになりました。

ですから今では靴をいい加減に買って、いい加減に履いていたら体に悪いということが常識となっています。そして、親が熱心に時間をかけて、靴を買う姿を子供が見て育ち、自然と親から子へと靴選びの知識が受け継がれているといいます。

「これを屋外で履くのは体に悪いから、室内用として会場まで持って行って履き変えましょう」なんていう、用途に応じた履き替え習慣も当たり前に学ぶわけです。

◆日本の外反母趾事情

日本人が靴を履くようになったのは、今から約70年前。戦前は医者でも外反母趾を知らない人がいるほど、外反母趾は稀の症状だったといいます。そして靴が普及するようになった1950年代、日本でも外反母趾に悩む人が増えました。

そして今・・・

いかがでしょう?見た目重視で靴を選んでいませんか?何となく楽そう、何となく合っているようなサイズを自己申告で店員さんに伝え、適当に買っていませんか?

おそらく、靴文化幕開け時代を生きてきたあなたのお母様は、靴選びの基準を持っていなかったはずです。外反母趾とは無縁もしくは、ちょうど外反母趾に悩みはじめた世代ではないでしょうか?

日本は遅れています。ヨーロッパ事情からみると、そろそろ基準を持って靴を選ぶ時代です。親から子へ、自然と靴選びの家庭教育が行われる時代への過渡期なのです!

靴の選び方、学ばなあかんわ~!!そう思ったあなた。さぁさぁお気軽に、私、澤野までご相談くださいな♪♪懇切丁寧にお伝えいたしますからヾ(*´∀`*)ノ

↓ご相談はこちらから

//bunkayoku.com/contact/

健康への近道は足元にあり!!

参考:goo スローライフ(NTTグループポータルサイト)より、AFA福井健太郎先生・取材記事

 

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** 文化浴の森 情報便 **

平成30年5月19日(土)第61号

* 思わず行ってみたくなる♪文化浴情報

 

あなたのエネルギーバランスは・・・OK?!

//bunkayoku.com/point/2018/04/-0082.html

 

* 身も心もイキイキ!文化浴&ウォーキングコラム

◆姫は・・・なぜ?

深い余韻に浸りながら・・・思わずエンドロールに涙が溢れました。

おはようございます! ご覧なられましたか? 昨夜の金曜ロードショー「かぐや姫の物語」。

2018年4月5日にお亡くなりになられた、高畑勲監督追悼作品。スタジオジブリ制作。

日本で最も古い物語といわれる「竹取物語」を題材に、完成までに8年かかったという、高畑勲監督の集大成とも言える作品です。

やさしく美しい水彩画のタッチが、一層心に沁み入りました。

ものがたり・・・今は昔、竹取の翁が見つけた光り輝く竹の中からかわいらしい女の子が現れ、翁は媼と共に大切に育てることに。

女の子は瞬く間に美しい娘に成長し、かぐや姫と名付けられ、うわさを聞き付けた男たちが求婚してくるようになる。彼らに無理難題を突き付け次々と振ったかぐや姫は、やがて月を見ては物思いにふけるようになり......。

かぐや姫はなぜ、地球に生まれ、急成長し、男を次々と振り、月へ逝かなければならなかったのでしょうか?謎につつまれています。この物語を描いた作者は何を伝えたかったのでしょう?高畑監督は何を伝えたかったのでしょう?

◆「かぐや姫の物語」は、まさに受信の日本文化

以前の文化浴情報便(2018/3/17第52号)で、西洋文化は「語りなさい、主張しなさい」と『発信』に重きを置くのに対し、「聴きなさい、汲み取りなさい」と『受信』に重きを置くのが日本文化・・・というお話をしましたよね。

受信というと、控えめな、弱々しい、ひっそりとしたイメージですが、実はその逆で。というのも受け手は、かすかな発信をキャッチするために、おもいっきり受信能力を高める必要があるからです。

つまり、積極的に五感を働かせないと、自分を取り囲む世界を感じられないわけです。

待ちの姿勢では、いつまで経っても発信メッセージを聴き取れず、汲み取れず、そこにある感動や愛、安らぎを味わうことができないという話。(朝野玲子著『旅で深める癒しのカウンセリング ゲシュタルト療法と"和"の治癒力』参照)

まさしく!!「かぐや姫の物語」のこの余韻は、日本文化のなせる業だな~と感じています。

これがメッセージだ!と主張するわけではなく、かぐや姫を通して、受け手の心の中にある何かをくすぐって、何かを示唆してくれているようです。

因みに私は、ありのままの命の姿、愛や悲しみ、美しい日本の原風景・・・今この地球で私自身が生きていること、それそのものが摩訶不思議だな~ということを実感。人生の記憶が宝のように感じられました。

原作竹取物語よりも、謎解きのヒントというのでしょうか、監督をはじめとする制作者の、世代を越えて理解されやすい解釈が溢れていたので、観やすく汲み取りやすかったです。

特にエンドロールに流れた歌、「いのちの記憶」に集約されているように思いました。

◆「いのちの記憶」抜粋

あなたに触れた よろこびが 深く 深く このからだの 端々に しみ込んでゆく

ずっと 遠く なにも わからなくなっても たとえ このいのちが 終わる時が来ても

いまのすべては 過去のすべて 必ず また会える 懐かしい場所で

いまのすべては 未来の希望 必ず 憶えてる いのちの記憶で

高畑勲監督・・・ありがとうございました。

 

◆いよいよ本日です!

さぁ、本日は奇しくも、そんなかぐや姫のモデルといわれる小野小町に、時空を越えて逢いにいく、京都文化浴さんぽです♪

小町の人生もやはり、謎に包まれています。小町が晩年を過ごしたと言われる小野の文化を浴びながら、時空を越え、謎解き、驚き、酔いしれましょう!

小町を含む3人の女性の後世に語り継がれる人生から、あなたの人生を感じるヒトトキ。

頭ではなく五感を使って・・・その記憶が、深く、深く、あなたのからだの端々に染み込んで、過去、現在、未来・・・すべてがひとつに☆

 

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** 文化浴の森 情報便 **

平成30年5月12日(土)第60号

* 思わず行ってみたくなる♪文化浴情報

世界中からの人がごった返す嵐山ですが、ここはオンシーズンでも、昔と変わらずのどか。

私にとっては幼い頃のキラキラの思い出が詰まった、心のふるさと。 静かで雄大なこの空間が、ゆっくりと思い出させてくれる。

//bunkayoku.com/point/2018/04/-0083.html

* 身も心もイキイキ!文化浴&ウォーキングコラム

■装飾文様はパントマイム

文化浴案内人として、文化財全般、あんな道こんな道、隠れ名店など・・・様々な解説をさせて頂いていますが、あえて私の専門分野をいいますと、社寺建造物の美術装飾。古建築の塗装や装飾です。今でいう外壁アートやインテリア装飾になります。

現代のそれらは、センスがいい、カッコいい、可愛いといった基準でデザインされることが多いと思いますが、昔の装飾は違います。

特に社寺空間に用いられるデザインは、人のためのみならず、神仏への捧げものとして描かれていますから、思い入れが深く、意味が深い。しかし、時が経った今、その意味がわからなく、消えつつあるものも少なくありません。

そこで昔への謎が広がり・・・何故そこにそれが描かれているのか?この飾りとこの場との因果関係は何なのか?じっと見つめていると・・・古人の心が見え隠れし始めます。

そして、おもむろにスマホで調べる・・・と、その時点でオオ~~ッと分かることもありますが、表面的な情報しか得られないことも多々。

謎を抱えたまま・・・ある時ふと、全く関係のない事柄から、謎解きのヒントが見えてくる時が、一番面白いのです!

そう、装飾文様は、まるでパントマイム。謎解きタイムに知的好奇心が触発され、面白さの神髄に迫ることができるのです。

■葵のご紋

例えば二葉葵。

来週の15日は葵祭。下鴨、上賀茂両神社のお祭です。総勢500名を越える人が平安絵巻さながらに、京都市中を優雅に練り歩く京都最古のお祭。

賀茂社と同じく、京都最古の松尾大社の神紋も二葉葵。「この紋所が目に入らぬか~!」でお馴染みの徳川家の家紋も二葉葵。

古来、二葉葵は五穀豊穣の象徴とされてきました。順調な収穫を祈り、祭の行列にも葵の葉を飾りたてて巡行します。

五穀とは時代や地域によっても変わりますが、米・麦・粟・キビ・豆を表すのが一般的です。

なぜ?

山地の林下に生える多年草の二葉葵が、なぜ、五穀豊穣の象徴なの?

なぜ?

三穀や八穀でなくて、なぜ、五穀なの?そんな謎が湧いてきます・・・

五穀と二葉葵、そして京都の古社寺との因果関係がよくわからぬままでした。しかし最近ふらっと入った町角のカフェで目にした冊子に、その謎を解く鍵を見つけた気がしたのです。

■焼畑農業

現代では農業というと水田と畑作のみが重視され、焼畑農業は殆ど語られてこなかったのですが、実はこの焼畑、全国殆どの山間部に広く分布していたようです。古くは縄文時代から行われ、近世でも全国に24万ヘクタールも焼畑面積はあったそうなのです。しかし昭和30年代にはほとんど姿を消しました。

焼畑農業は、山の草木を切って枯らしてから焼き、その焼き跡の灰を肥料に作物を栽培する方法で、焼いた初年から2年目、3年目とそれぞれに適した作物に変えながら、おおよそ4~5年くらいを一区切りとして終えます。

その後は再び草木の生えるままに放置して自然の山に戻し、地力の回復した10~20年後再び焼畑として用いるという、何世代にもわたる営みです。

基本的に水田や畑作といった灌漑農業は、人間が完全にコントロールする手法ですが、対する焼畑は、作物を上手くローテーションさせて、人間が自然に参加していく農耕法なのです。

■二葉葵の謎解き

そこで、あくまでも私の自論ですが、4~5年の焼畑農業ローテーションに、五穀が見えてきたのです。

五穀の種類は地方によって微妙に違うと言います。それも畑作と因果関係があるならば、地方によって作物は違っていても当然で、理にかなっています。

山際に鎮座する京都最古の松尾大社、そして上賀茂神社。灌漑農業以前からその周辺で焼畑農業をしていたかどうかは、私にとってこれからのフィールドワーク課題ですが、山地の林下に生える多年草、二葉葵が、焼畑農業とペアになって見えてくる気がするのです。焼畑のために切って枯らす草木の中に、二葉葵があってもおかしくありません。

もしかすると、生命力の強い二葉葵は、焼き尽くした後でさえも、日陰でさえも、素直にすっくと、可愛い二葉を古人に見せてくれたのかもしれません。その生き様に願いを託し、焼き尽くすことに敬意をはらい、古人が五穀豊穣を祈った情景が浮かんでくるようなのです。

もしも何かご存知の方がいらっしゃったら、ぜひお教え下さ~~い\( 'ω')/

■これからの日本人の生き方

最後に、焼畑農業の存在を気付かせてくれた冊子「龍谷 2016 NO.82」の中の対談文が、とてもよい内容だったので、一部ご紹介しておきます。

霊長類研究者であり京都大学総長の山極壽一氏と近年新設された龍谷大学農学部・学部長の末原達郎氏の対談です。

・・・・・

山極:いま、日本人の生き方について、戦後三度目の新しい波が来ている気がしているんですよ。第一波はアメリカ文化を夢見た70~80年代の高度経済成長期。次が日本の伝統や古い調度品が見直された80~90年代。そして21世紀になって、今度は暮らしを総合的に再検討する波が来ている。和食を文化遺産にしたり、農業を見直したりというのもその一環だと捉えています。

末原:実はこの農学部への反響はとてもよく、たしかに波を感じます。少し広く言うと文明の転換点にさしかかっている。それはやはり現在の生活や社会への疑問、危機感からきているのでしょう。

山極:この機械文明のなかで、生活に密着した自然との営みが人間の精神的な支えをもう一度回復してくれることへの期待があるわけです。AIなど技術の飛躍的進化の反動として、振り子が両極端に大きく揺れているのですね。

日本は経済大国と言われながら、食料自給率が40%に満たない。しかも人口は減っていく。危機的状況は深刻です。そのときに、末原さんが言った焼畑農業や「講」のような、共同体的な社会のあり方がもう一度復活してこないといけないのですが、機械化、効率化、経済化が行きすぎると、そのときにやるべき作業が残っていない。せめて身体を使って通じ合っていないと、人間がつくりあげてきた社会性は消失してしまうと思う。

末原:今は難しい時代ですが、逆に変化のきざしもある。我々の時代も別の意味で危機的な状況があり、そこで既存の枠組みを突破する新しいチャレンジができた。今もそういう時代で、今後ますます開拓力が必要とされていくでしょう。若い人には周囲に惑わされず、思い切ってチャレンジをしていってほしいですね。

・・・・・

5月は田植えの時期。新緑や、いにしえの装飾に文化浴して、遥か彼方に透けて見える文化から、過去・現在・未来の季節を・・・感じていたいと思う。

 

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