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平成30年7月7日(土)第68号

* 思わず行ってみたくなる♪文化浴情報

素直な「祈り」は、こころの眼をクリアに開く・・・

//bunkayoku.com/point/2018/06/post-93.html

 

* 身も心もイキイキ!文化浴&ウォーキングコラム

◆祇園祭の原点

コンチキチン♪ はじまりましたね、祇園祭♪ 7月、京都では古都の夏を彩る祇園祭が1ヶ月間行われます。

平安時代、都では人口密度の高まりに伴って、夏場に前代未聞の大規模な疫病が流行りました。朝廷はこの疫病を、政治の裏で非業の死を遂げた死者の怨霊として祀り、祟りを鎮める「御霊会」を行いました。

しかし、その後も伝染病は続き、さらに全国的に地震や富士山の噴火などの災害が相次いだのです。そこで祇園精舎の守り神である牛頭天王(素戔嗚尊)を勧請し、六十六本の鉾を立て、神泉苑に祈願したのが祇園祭のはじまりです。

祈る心は朝廷ばかりではなく、住民らも体力、財力、学力、技術を投じ、祈り、神輿や山鉾を絢爛豪華なものに仕立て上げ、千数百年かけて風習を培ってきたのです。

立場や身分を越えて町ぐるみで、自然や人を畏れ敬い、自らの傲慢を諭す1ヵ月間。それが祇園祭を楽しむ上での、大切な心得なのかもしれません。

◆祈る心

先日の地震に続き、この記録的な豪雨。私の自宅近くの嵐山渡月橋は、あと僅かで桂川の濁流に呑み込まれそうです。

ただ、ただ、ただ、、、祈るばかりです。

一見非科学的な「祈り」ですが、科学が発達した現代でさえも、天災、人災を前に無力に打ちひしがれ、祈ろうとする心は同じですね。

素朴な「祈り」が心のうちから湧き出ることを、今まさに感じながら、このメルマガを書いています。

◆パニック障害で消えたアイドル

1980年代、アイドルとして活躍していた比企理恵さんをご存知でしょうか? 昨日のTBS系「爆報!THEフライデー」という番組で、テレビ界から消えた比企さんは、長年パニック障害を患い、「人生終わりだと思った」ほど、追い詰められていたと語っていました。

トラックの音が気になって一睡もできない・・・お弁当に入っている人参を誰が作ったのか気になり出したら呼吸困難・・・パニックを起こしたらどうしようと不安になって、さらにパニックになる・・・苦しみの悪循環。

通常、パニック障害は薬やカウンセリングなどで治療していくそうですが、比企さんはあるところへ行くようになって、パニック障害を克服できたといいます。

その、あるところとは?

◆祈りの効力

神社だそうです。友達と一緒に神社にお参りに行ったそうです。そこから調子が上がってきたといいます。

それは医学的にみても、理に適っているようです。「祈る」ことで気持ちを集中させると、脳の前頭前野が活発になるのだそうです。それがパニック障害の原因、偏桃体を抑制することに繋がり、症状が治まっていくというのです。

比企さんは1年間、週に2度、神社に通い続けてパニック障害を克服したそうです。以来すっかり神社の魅力に魅せられ、現在までに400社以上の神社を参拝したとのこと。

私自身もそれには非常に共感します。私自身、最初は仕事上といえど、社寺巡りが習慣になったことで、一瞬にして清々しくなったり、救われたり、希望を持てたり、元気が出たり・・・言葉では表し尽くせぬ恩恵に満たされるようになりました。

そういった経験から、まるで文化財はセラピーだと感じて当法人を設立し、「文化浴の森」と命名しています。

◆脳科学と祈り

「良い未来を創り、新時代の幸福をもたらすのは、究極の利他行動である『祈り』の実践」と言い切るのは、脳科学者・中野信子医学博士。

祈りといっても、それは宗教や信仰に基づいたものではなく、ざっくりと言うと、自分と周りの人々のよい未来を願うことだそうです。

ただし注意したいのは祈りの質。祈りの中にはネガティブな祈りとポジティブな祈りがあり、嫉妬、怒り、恐れ、不安といった感情が込められた祈りは、逆に脳内にストレス物質を分泌します。

これに対して自他すべての幸福を願う前向きな祈りは、脳内に快感物質を分泌させ、心身に好影響をもたらすそうです。

◆敵も含めたみんなの幸せを祈り続ける

最初は自分のことだけであっても、次第に家族、恋人など愛している誰かの幸せを祈るようにして、それができるようになったら、苦手な人や敵も含めたみんなの幸せを祈るようにしてみると良いそうです。

それは、誰かに何かをしてもらいたいという受身で利己的な喜びではなく、積極的で利他的な幸福感。

つまりワールドカップや出世競争、国際問題でも、相手を叩きのめそうと考えず、敵だと思っていた人の幸せも祈れるようになれれば、脳内快感物質はいっそう分泌されるそうなのです。

こうして自己の範囲を拡大し、世界に寄与していると感じられる「祈り」を行えたなら、そこから得られる自己効力感はとても大きくなり、脳にとっての喜びも極大になるわけです。

比企さんはその領域に到達されたのかもしれませんね。

◆今年の祇園祭は・・・

祇園祭で尊ぶ怨霊は、いわば敵。地震、豪雨、伝染病となって姿を現す、恐ろしい不安の塊。その存在を、丁重に祀る儀式はまさに究極の利他の「祈り」。

脳科学的にみても、町ぐるみで一丸となって執り行ってきたことで、町中の人々の脳内に、どれだけの快感物質を分泌させてきたことか!その効果たるや計り知れません。

受け継がれてきた背景には、それ相応の効力や意義があることを感じます。

例年以上に、大規模な天災が多い2018年夏。祇園祭講座を無事に開催できることを祈ります。

開催できた暁には、あらためて千数百年の歴史に織り込まれてきた祭に心から祈り、楽しみたいと思います。ぜひ、脳内快感物質を分泌させて、幸せを共有しましょう!

 

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