文化財の名称:祇園新橋 火除け地蔵
文化浴の種類:民俗浴 宗教
所在地:京都市東山区橋本町
アクセス:京阪電鉄祇園四条駅から徒歩7分
祇園白川の新橋のすぐ横にある火除け地蔵です。
地蔵菩薩はあらゆる場所に身を変えて現れ、六道の衆生を救ってくれると共に様々な現世利益をもたらしてくれると言われています。
「地蔵菩薩本願経」では、代表的な十種のご利益のひとつとして「火除け」があるとされています。
また、天明元年(1781年)に書かれた木室卯雲(きむろぼううん)の「見た京物語」には
「町々の木戸際ごとに石地城を安置す。これ愛宕の本地にて火ぶせなるべし」と書かれており、江戸時代の愛宕山の地蔵は火伏せの神としても知られており、京都の町に火除け地蔵があったことがわかります。
滞在時間の目安:5分
【慈しむ気持ちに気づかせてくれた火除け地蔵】
-こんな時に訪れてみよう!- (微笑みたい)
-こんな時に訪れてみよう!- (微笑みたい)
祇園の美しい町並みの一角に火除け地蔵様は祀られていました。
すぐ横には白川が静かに流れている場所。
この地蔵菩薩は火除けのご利益で有名な愛宕山の神様だったということでしょうか。
とても丁寧にきれいなお花が供えられていて、ちゃんと町の方々から大切に祀られているんだな、というのが最初の印象でした。
美しい町には丁寧な暮らしや慈しむ心を持った人々が暮らしているんだと感心をしました。
私の地元の墓地にもいつもきれいに赤い前掛けをかけられているお地蔵様がいらっしゃいます。
どこのどなたが作ってかけられているのか...お墓参りをするたびに、その見ず知らずの方が赤い前掛けをお地蔵様にかけている姿を想像していつも胸がキュ~ッと温かくなります。私の想像では優しいお顔のおばあちゃんなのですが。
そのときと同じ感覚になりました。
この火除け地蔵様に丁寧にお花を供えられる方の姿を想像して、私も広く深く慈しむ心を持って生きていきたいと常々思うのですが、なかなかこれが難しい...!!のです。
訪問日時:2019年1月19日 記:あやこ
文化財の名称:三条白川橋の道標
文化浴の種類:民俗浴 その他
所在地:京都市東山区三条通白川橋東詰
アクセス:京都市営地下鉄東西線「東山駅」より東へ徒歩4分
白川橋のたもとに1678年に建てられた京都に残る最古の道標です。
京と江戸を結ぶ東海道の、あと数百メートルで終点の三条大橋、という場所に建てられています。
北側に向いて彫られているのは
「三条通白川橋」
東側には
「是よりひだり ちおんゐん ぎおん きよ水みち」
南側には
「京都為無案内旅人立之」(京都の地理に無案内の旅人のためにこれを立てたの意)と、「延宝六戌午三月吉日」「施主 爲二世安樂」
と彫られています。
幕末の動乱なども乗り越え、自然の風雪などにも耐え、損傷も少なく残っています。
滞在時間の目安:5分
【風情ある白川橋に情ある道標】
-こんな時に訪れてみよう!- (微笑みたい)
-こんな時に訪れてみよう!- (微笑みたい)
白川橋から見る風景はとても風情があり以前から好きでしたが...この立派な道標に目をくれたこともありませんでした。
今回初めて教えてもらって知ったこちらの道標。
建てられた1678年と言えば江戸時代。
誰が将軍の時代なのかな...と調べたら第4代徳川家綱の時でした。
その時に善意ある人によってこの道標が建てられて、今までこんなにしっかりと現存しているなんて...素晴らしいです。
こういった道標は当時本当に重宝されていたのだろうと思います。
現代に生きる私たちは何もかも便利すぎて、色んなことが麻痺しているのかもしれません。
ふと、以前の仕事仲間が学生時代に東京の日本橋から京都の三条大橋まで(東海道五十三次)歩いたと言っていたのを思い出しました。
何日かかったのかを聞いたのに忘れてしまいましたが、昔の方々の気持ちになって同じように不便さを体験するのはとても新鮮なのではないでしょうか。
私も今度せめて近くへでも目的地へ行くのにスマホに頼るのをやめてみようかな。
訪問日時:2019年1月19日 記:あやこ
文化財の名称:渉成園 高石垣
文化浴の種類:庭園浴 その他
所在地:京都市下京区烏丸通七条上る
アクセス:JR京都駅より徒歩10分
渉成園は真宗大谷派の本山・真宗本廟(東本願寺)の飛地境内地(別邸)です。
渉成園の名の由来は中国六朝時代の詩人、陶淵明(とうえんめい)の【帰去来辞】の中の「園日渉而成趣」(園は日に渉りて以て趣を成す)という漢詩の一節からきています。
周囲に枳殻(からたち)が植えられていたことからも枳殻邸(きこくてい)とも呼ばれています。
西の門を入ると正面に高石垣があります。
石橋のような長い切石や礎石、石臼、山石や瓦など様々な形をした石が巧みに組み合わされています。
滞在時間の目安:5分
【遊び心たっぷりの高石垣】
-こんな時に訪れてみよう!- (微笑みたい)
-こんな時に訪れてみよう!- (微笑みたい)
色んな種類や形の石が詰まった、お楽しみボックスのような高石垣です。
色んな形の石が組み合わされ、よくここまでうまくおさまったな~、と驚きます。
うまく調和されていて、見れば見るほど味わい深い。
石臼が使われているのがおもしろい。
丸い形がとてもいいアクセントになっています。
巧みに調和しつつも、遊び心たっぷり。
これから向かう素晴らしい園内へと、ワクワクする気持ちを高ぶらせてくれるプロローグにぴったりの高石垣です。
訪問日時:2018年2月17日 記:あやこ
文化財の名称:黄檗山萬福寺 布袋さま
文化浴の種類:美術品文化財 彫刻
所在地:京都府宇治市五ヶ庄三番割34
アクセス:JR奈良線または京阪宇治線「黄檗駅」より徒歩5分
黄檗山萬福寺の天王殿にいらっしゃる布袋さま(弥勒菩薩)のお像。
大きな袋を持ち、大きなお腹の布袋さま。
七福神の中で唯一実在したと言われる布袋さま。後梁時代、中国浙江省の契此(かいし)というお坊さんがモデルとなったと言われています。
布袋さまは各地を行脚し出逢った様々な貧しい人々に救いの手を差し伸べられ、袋の中から必要なものを差し出しました。
その徳の高さから、弥勒菩薩の化身と言われています。
毎月8日布袋尊(弥勒菩薩)の縁日に「ほていまつり」が開催されています。
滞在時間の目安:10分
【ぷっくり福耳のお茶目な布袋さま】
-こんな時に訪れてみよう!- (微笑みたい)
-こんな時に訪れてみよう!- (微笑みたい)
まずは正面から愛嬌たっぷりと。
でで~ん!と大きなお腹とはっきりとしたお顔立ち。
そして、横にまわって・・・
なにより私が惹かれたのはそのお耳とまぁるい手の指。
もうおおらかさが見てるだけで伝わってきます。
私は仏さまの福耳が好きなのですが、こちらの布袋さまのぷっくり具合は素晴らしい。
周囲の人だったら、ぜひともさわらせてくださいませ!ってお願いしてそうです。
福耳、幸福、福袋、そして萬福寺の萬福・・・福とつくものにはハッピーがたくさん詰まっています。
拝んでいると、小さなことくよくよしても仕方ないなって、おおらかな気持ちになれる布袋さま。
また萬福を願いに伺います。
そして、私も人とのご縁を大切にして、徳の高い人になれますように・・・。
訪問日時:2018年1月24日 記:あやこ
文化財の名称:錦天満宮 からくりおみくじ
文化浴の種類:民俗浴 宗教
所在地:京都市中京区新京極通四条上る中之町537
アクセス:阪急河原町駅より新京極商店街を北へ10分
錦天満宮は天満天神(菅原道真公)を祀り、繁華街のど真ん中、新京極通りにあります。「錦の天神さん」と呼ばれています。
平安時代前期の十世紀初頭に菅原道真公の生家、菅原院に創建されたのが始まりとされています。その後、1587年豊臣秀吉の都市計画により現在の地に移りました。
からくりおみくじは、人が近づくと神楽が鳴り出して獅子舞が踊り始め、コインを入れると獅子がおみくじを口にくわえて運んでくれます。総合おみくじ、恋みくじ、花みくじなど六種類から選べます!
滞在時間の目安:10分
【遊び心たっぷり!笑顔になれるからくりおみくじ】
-こんな時に訪れてみよう!- (微笑みたい)
-こんな時に訪れてみよう!- (微笑みたい)
錦天満宮は小さいながらに色んな楽しめるしかけがたくさんあって、本当に素敵な神社です。
珍鳥居は有名ですが、このからくりおみくじもとってもユニークで味わいがあります。
獅子が神楽に合わせて踊りながら、おみくじを口にくわえて、運んでくれます。
なんと宮司さんが開発、設計されたのだとか!
訪れる人をワクワク、楽しまそうという気持ちが詰まっているからくりだなぁと思います。
おみくじは6種類からえらべます。
私は花みくじを引きました。
花は「すみれ」。花言葉は「誠実」
そして、「大吉」でした!
その時の自分に必要な言葉をいただけるおみくじ。
少しでも誠実になれるよう努力していこうと思ったのでした。
錦天満宮へ参拝へ訪れたら、ぜひ微笑ましいこのからくりおみくじを♪
訪問日時:2017年6月 3日 記:あやこ
文化財の名称:善導寺 釈迦三尊像
文化浴の種類:アート浴 仏像
所在地:京都市中京区二条通木屋町東入ル東生州町533
アクセス:京阪電鉄三条駅より徒歩約15分
善導寺の本堂の左前(前庭)にある高さ90センチほどの釈迦三尊石仏。
清凉寺(嵯峨釈迦堂)本尊の釈迦如来立像を模した清凉寺式釈迦像。
正面中央が釈迦如来立像。
向かって左の脇侍が、五髻(ごけい)文殊菩薩。
右が弥勒菩薩。
鎌倉時代中期の弘安元年(1278年)の銘あり。
重要美術品に指定されています。
滞在時間の目安:5分
【癒しとなごみの釈迦三尊像】
-こんな時に訪れてみよう!- (和みたい微笑みたい)
-こんな時に訪れてみよう!- (和みたい微笑みたい)
美しい龍宮門をくぐって、境内に入ると静かな空間が広がっています。
ご本堂の向かって左側にちょこんと高さ90センチほどの美しい石仏がありました。
とても穏やかで癒される像です。
それぞれのお顔を眺めていると、真ん中の釈迦如来様はぷっくらした唇とふっくら穏やかなお顔立ちが魅力的で、左の文珠菩薩様はさすが知的な雰囲気。右の弥勒菩薩様は微笑んでいるような表情。
心が穏やかにふわっとほどけます。
立派な仏像も感動するけれど、こういった小さな石仏が大切に大切に残されてきたことにとても感動します。
いつまでも眺めていられる石仏です。
ふわっと心軽くしたいとき、気軽に会いに行ける仏様です。
訪問日時:2017年5月20日 記:あやこ
文化財の名称:岡林院前の三地蔵
文化浴の種類:アート浴 仏像
所在地:京都市東山区高台寺下河原町529
アクセス:市バス東山安井駅から徒歩10分
ねねの道。豊臣秀吉の正室、ねねさんゆかりの道。その路傍には所々に、「触れ仏」が点在しています。たいていの仏様は姿が見えなかったり、遠くから拝むものが多い中、触ることができる仏様は貴重ですよね。
中でも、少し奥まった岡林院門前の三地蔵には癒されるはずです。また、「見ざる、聞かざる、言わざる」ではなく、「見るぞう!聞くぞう!言うぞう!」っていう、積極的人生も応援してくれる仏様なのですよ。
滞在時間の目安:10分
【見るぞう!聞くぞう!言うぞう!】
-こんな時に訪れてみよう!- (微笑みたい)
-こんな時に訪れてみよう!- (微笑みたい)
わらび餅が美味しい洛匠の南隣の小道を進むと、ねねの道の喧騒とは対照的な落ち着きを醸す岡林院門前。
可愛らしく優しいお顔立ちの「触れ仏」の「三地蔵」たちが出迎えてくれました。まるで子供のように屈託のない表情に思わず笑顔をもらって、「来たよーっ!」て、思いきりナデナデしちゃいました・・・(笑)
耳を澄ませば、洛匠の池に流れる水の音、竹林に憩う鳥のさえずり♪
せっかくこの世に生まれてきたのだから・・・見るぞ~!聞くぞ~!言うぞ~う!ハイ!積極モードのスイッチが入りましたッ!
訪問日時:2016年11月 3日 記:ともえ
文化財の名称:下御霊神社の獅子
文化浴の種類:アート浴 彫刻
所在地:京都府京都市中京区寺町通丸太町下ル下御霊町
アクセス:京都地下鉄丸太町駅から徒歩10分 京阪神宮丸太町駅から徒歩5分
下御霊神社門前、向かって右・・・人懐っこい顔で大笑いしている獅子が出迎えてくれます。
たいていの神社では犬や獅子、狐や牛など、動物の彫刻物が出迎えてくれます。それらは眷属(けんぞく)といって、神様をお守りするお使い達です。
どちらも狛犬と言われがちですが、正式には獅子狛犬。向かって右の口を開けている方が獅子。向かって左の口を閉じて、角がある方は狛犬です。特に下御霊神社の獅子は愛くるしい表情の石造文化財なのです。
滞在時間の目安:5分
【笑う門前に福来る!】
-こんな時に訪れてみよう!- (微笑みたい)
-こんな時に訪れてみよう!- (微笑みたい)
「待ってたよ~ヒ~ハ~!」って、笑顔で出迎えてくれる獅子くんに、思わず「もらい笑い」してしまいます。
この獅子を作った、江戸時代の石工さんは、きっと動物が好きだったんじゃないかな~。こんな表情を彫った人から発せられる愛情を、感じずにはいられないから。崇高なばかりが神仏でないと感じさせてくれる。
通りすがりの人でさえも、門前で癒してくれる・・・とても愛しい存在。
訪問日時:2016年6月15日 記:ともえ
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