文化浴ポイント京都編

 

文化財の名称:無鄰菴の沢渡石

文化浴の種類:庭園浴 その他

所在地:京都市左京区南禅寺草川町31

アクセス:地下鉄東西線蹴上駅より徒歩約10分

長州藩出身の明治の軍人、そして内閣総理大臣までつとめた山縣有朋は無類の庭好き。庭造りのアイデアマンでもありました。

それまでの日本にはなかった西洋庭園のような庭を望みました。その山縣のこだわりを見事にカタチしたのが七代目小川治兵衛という植木屋でした。

この無鄰菴の造園に関わったことで、後年、小川の能力は大いに発揮され、後世に名を遺す偉大な作庭家となりました。

沢渡石は向こう岸に渡ることができるように、飛石を水の中に打って配置されたものです。川により近づき、楽しめる仕掛けとなっています。

滞在時間の目安:5分

 
 

【選ばれし物達】

-こんな時に訪れてみよう!- (どっしり構えたい流れを変えたい)

それは鴨川でもなく、料亭でもなく、無鄰菴の庭園にあります。

子どもの頃に戻ったようにちょっとはしゃぎつつ、でも内心落ちないように緊張感をもったり・・・
足元をカクニンしながら沢渡石を、その名の通り渡って進みます。
慎重に一歩ずつ進んでいるせいか、若干の緊張感もあるはずが、ひとつひとつの石をじっくりと見ている自分がいました。

小川治兵衛さんによって?いや、もしかすると山縣有朋によってかもしれない、選ばれし石達。どれも同じ形、色のものはひとつもありません。どんな人の足でも受け止められるよう、選抜大会に合格したその石達がなんだかかっこよく見えてきました。

そんな事を思いながら到着した先には、とっておきのお楽しみが。
おいしいお菓子とお茶を母屋で頂くことができます♪
ただひたすらに進むと、その先にはなんでもない小さな幸せが待っているな~と思った、冬の無鄰菴でした。

訪問日時:2018年12月15日 記:あさみん

 
 

文化財の名称:柳谷観音 百万遍大数珠繰り

文化浴の種類:民俗浴 宗教

所在地:京都府長岡京市浄土谷堂ノ谷2

アクセス:阪急京都線長岡天神駅より車で15分

柳谷観音(楊谷寺)で毎月17日の縁日に行われている百万遍大数珠繰り。

円陣になった参拝者が巨大な数珠を手に持ち念仏を唱えながら隣の人に順にまわしていくもの。
自身の往生や故人への追善、各種の祈祷を目的としています。

1331年(元弘元年)京の都で疾病が蔓延した際に後醍醐天皇の勅命で、当時知恩寺の住職だった第八世空圓上人が宮中で7日間、百万回の念仏を唱え疾病を鎮めました。
それにより、後醍醐天皇は知恩寺に「百万遍」という称号と大数珠などを授けました。

以来、日本の寺院などで念仏を唱えながら、大数珠を繰る大数珠繰りが行われています。

滞在時間の目安:20分

 
 

【みんなでつなぐ幸せな一体感】

-こんな時に訪れてみよう!- (流れを変えたい)

美しくとてもいい光景だな、と心から感じました。

何十人という参拝者がひとつの大きな数珠を持って、念仏を唱えながら隣の人にまわしていく。
凄い人だったので、私は数珠には少しだけ触れさせてもらい、あとは端からその光景を眺めていました。
だからこそ数珠をまわす方々の臨場感や一体感を客観的にすごいなと感じることができました。

故人への供養、自身や家族の健康や幸福を祈ること。
それぞれ祈ることは違っても、その想いひとつひとつが重なってもっと強い【念】となっていくような不思議な感覚に。

この一体感は大勢だからこそ。
皆さんの念仏を唱える声にパワーをいただきました。
毎月の縁日17日にぜひ!!

訪問日時:2018年6月17日 記:あやこ

 
 

文化財の名称:月読神社 本殿の本坪鈴

文化浴の種類:建造物文化財 神社

所在地:京都市西京区松尾山添町15

アクセス:阪急電鉄嵐山線「松尾大社」駅下車徒歩6分

月読神社は松尾大社の境外摂社。
主祭神は月読尊(つき(く)よみのみこと)

その本殿の本坪鈴。

神社の鈴は、魔除けや厄除け開運、参拝者を祓い清め、神霊の発動を願うもの。
音色を浴びることで、心身の邪気を祓う。

滞在時間の目安:5分

 
 

【静かな境内に音色を響かせる可愛い鈴】

-こんな時に訪れてみよう!- (流れを変えたい)

静かな森の中にある月読神社。本殿をお参りしたときに一緒にお参りした方が、神社の鈴が綺麗に鳴るときと、うまく鳴らない時があるよね~とおっしゃった。

確かに・・・普段当たり前に鳴らしているけど、私もそんな時あるなぁ。

空振りというのか、うまく鈴の音が鳴り響かないとき。
むやみやたらに鳴らそうとすると逆に力が入ってうまくいかなかったり。
迷いがなく振れたときは勢いよくいい音が鳴ったりもする。

もしかするとその時の自分の心の状態も音色にうつすのかな。
清らかな気持ちで参拝したいものですよね。

ところで月読神社のこの鈴。
どんぐりみたいな形と色合いが可愛らしい。
私は不思議と、おばあちゃんが昔よく買ってきてくれた鈴カステラを思い出しました。
今度は鈴カステラを見ると、この月読神社の鈴を思い出すのだろうな。

久しぶりに鈴カステラ買ってみようかな。

訪問日時:2018年4月21日 記:あやこ

 
 

文化財の名称:ゑびす神社 恵比寿さまの福箕

文化浴の種類:民俗浴 宗教

所在地:京都市東山区大和大路通四条下ル小松町125

アクセス:京阪電鉄 祇園四条駅より徒歩7分

京都ゑびす神社は鎌倉時代初期1202年に建仁寺建立の際に鎮守として栄西禅師により創建されたゑびす神社。

主祭神は八代言代主大神。
西宮、大阪の今宮戎とともに日本三大ゑびすと言われ、【えべっさん】の名で親しまれています。

二の鳥居に恵比寿様の扁額と福箕がついており、そこに賽銭を投げ入れてうまく入ると願いが叶うとされています。

滞在時間の目安:5分

 
 

【恵比寿様の笑顔に運試し!】

-こんな時に訪れてみよう!- (流れを変えたい)

鳥居に掲げられた、えべっさんのふくよかで幸福感溢れる笑顔。

私も大切な人たちの商売繁盛、自分の年収アップを願って、福箕めがけてお賽銭を高く投げてみました!

友達とふたりでチャレンジするもなかなか入らず、「あと一回!」とか言いながら何回も投げ・・・。
とそこに別の方が成功!
それに連なるように友達、私も続けてトントンとうまく福箕に入りました。

なにかがきっかけで流れが一気に変わることありますよね!
達成感と清々しい気持ちを満喫しました。

ちなみに斜めに投げるよりも下から上に投げる方が入りやすいとか・・・?

楽しく運試し、してみてくださいね!

訪問日時:2018年1月27日 記:あやこ

 
 

文化財の名称:西本願寺 唐門

文化浴の種類:たてもの浴 寺院

所在地:京都市下京区堀川通花屋町下ル

アクセス:市バス「西本願寺前」「島原口」「七條堀川」下車

西本願寺の南にある唐門は、桃山文化を代表する伏見城の遺構といわれ、檜皮(ひわだ)ぶき、唐破風(からはふ)造りの四脚門(しきゃくもん)です。

黒漆や極彩色で彩られた豪華な彫刻が特徴で、牡丹に唐獅子、竹に虎、麒麟(きりん)に雲など数々の飾りが施されています。

境内中の壁面には中国の故事「許由巣父図(きょゆうすふず)」が、外側には「張良黄石公図(ちょうりょうこうせきこうず)」が施され、それらは聖なるテーマと俗なるテーマが対照的に描かれています。
もともと門は、聖なる領域と俗なる領域を分ける結界。まさしくその役割を映し出している絵柄です。

一日中眺めていても見飽きしない、美しく豊かな装飾ということから、「日暮門」とも呼ばれています。

2018年6月~2022年3月まで修復工事がされます。

滞在時間の目安:20分

 
 

【アールの中の森羅万象パワー!】

-こんな時に訪れてみよう!- (元気がほしい流れを変えたい逸話にふれたい)

最高のおもてなしゲートといわれるのが唐門。
唐破風の優美なアールが、やさしくお出迎えしてくれます。

ツンと尖った三角屋根の入母屋造よりも、まるく包み込んでくれるような唐破風造にホッとして、つい長居してしまいます。きっと三角屋根だったら、日暮門の異名はつかなかったんじゃないかな~?

目を凝らすと、小獅子が親獅子のお乳をのむ姿や親子で戯れる姿。
キリンビールのモデルになったキリンが、空高く駆け抜ける躍動感。
虎の雌は水玉模様で雄は縦縞模様と信じられていた歴史。
故事図が放つ、聖と俗のそれぞれのエネルギー。

丸くやさしいアールの中のこれらの飾りは、まるで丸い地球に溢れる森羅万象、流れる人生哲学。
人の手技によって織りなされた豪華絢爛なこの門は、壮大なパワーを放っています!
・・・あっ!日が暮れてしまった~~!

訪問日時:2017年12月15日 記:ともえ

 
 

文化財の名称:行者橋

文化浴の種類:まちかど浴

所在地:京都市東山区石橋町295−1

アクセス:市バス東山三条から徒歩3分

失敗したら死ななければならない―という修行、比叡山の千日回峰行。
死装束で7年間、ひたすら歩き続ける。
睡眠3時間。食事は少量の精進料理を2食。

クライマックスは、断食・断水に加え、眠っても横になってもいけない9日間の「堂入り」。そして最終年の「京都大廻」。その時、京都入りして最初に渡るのが、白川に掛かるこの細く小さな橋なのだ。
行者橋とも阿闍梨橋とも一本橋ともいう。

滞在時間の目安:3分

 
 

【気の流れを変えるなら・・・橋を渡ろう♪】

-こんな時に訪れてみよう!- (流れを変えたい)

橋を渡る時はドキドキしている自分がいる。

瀬戸大橋は電車に乗りながらでもドッキン!ドッキン!!吊り橋なんてガッキン!ガッキン!!
でも・・・橋が嫌いじゃない。この揺れる不安感が、自身を取り巻く気の流れを揺らし、気分を変えてくれるようだから。

渡り終えた後、爽やかな達成感が心を通る。
この行者橋は、小さいけれど、そんな橋の効果が絶大。
何せ、阿闍梨さんの千日回峰行も重なるから。

バランスを崩せば落っこちる。
それはまるで修行であり人生の縮図のよう。

気を変えてリフレッシュしたいとき、ドキドキを味わいたいとき、千日回峰行の片鱗を感じたいときに!

訪問日時:2016年6月15日 記:ともえ

 
 

文化財の名称:1928ビル(旧毎日新聞社京都支局ビル)

文化浴の種類:たてもの浴 産業

所在地:京都市中京区三条通御幸町角

アクセス:京都市営地下鉄東西線京都市役所前駅より徒歩約5分

1928(昭和3)年建築ゆえに、1928ビル。
「関西建築界の父」とも言われ、京都市役所のほか多くの作品がある武田五一の設計。

全体的には幾何学や線などのアールデコ調でまとめられ、窓の水平ルーバーは20世紀建築の巨匠、F・Lライトの影響がみられたり、最上部のロンバルディア帯は11世紀のロマネスク建築の意匠だったりと、西洋建築を自由に取り入れつつも見事なまとまりをみせる折衷建築です。

バルコニーや窓に見られる☆型は、建築主である毎日新聞社の社章に由来するデザインだそうです。

滞在時間の目安:5分

 
 

【見上げれば、そこは...☆】

-こんな時に訪れてみよう!- (流れを変えたい)

数年前、仕事帰りのとある出来事。
その日は仕事でミスをしてしまい、落ち込んだまま『なんでこうなった?』『あの時こうすべきだった...』頭の中は様々な思いでいっぱいになりながらも、足だけは迷うことなく普段通りの道へと進んでいました。
そんな状況だったので、うつむき加減だったのでしょう。でもなぜだかふっと、上を見上げた瞬間がありました。

真っ暗な空に大きな星☆
??なんだー?!
とてつもなく綺麗ではないか!!

見上げたわたしの目に入ってきたのは、三条通りに建つ1928ビルの小窓。
なんとも粋な星型がふたつ☆☆
どんよりしていた心に、あかりが灯った瞬間でした。
何度も通っているのに上を見上げたのは初めてで、『がんばれっ!』と励まされたような気持ちになったのを、ここへ来る度思い出します。

建造物に励まされるなんて、おかしいですよね笑
でも京都には、そんな自分をいつも変わらず受け入れてくれる場所がある。

1928ビルの前ではぜひ、上を見上げてください!できれば夜に...☆☆

訪問日時:2017年7月26日 記:あさみん

 
 

文化財の名称:鈴虫寺の法話

文化浴の種類:民俗浴 宗教

所在地:京都府京都市西京区松室地家町31

アクセス:阪急松尾駅から徒歩15分

365日いつでも、鈴虫の音色をBGMに、法話が聴けるお寺、鈴虫寺。
正式名は、妙徳山 華厳寺(みょうとくざん けごんじ)。
江戸時代中期に華厳宗として開かれ、現在は臨済宗に属する禅寺です。

正直、文化財的「見どころ」はあまりない小さなお寺。しかし、わざわざ全国各地から、ご住職の法話と、幸福お守りを授かりに、参拝する人が後を絶たない。平日でも長蛇列です。
門前の地蔵菩薩に住所と名前と願い事を告げると、わらじを履いた幸福地蔵菩薩(通常の地蔵菩薩は裸足)が家に来て、願いを叶えて下さるという。修学旅行生など若い人が目立って多い!もちろん若い人だけでもない。

あっ、例え門前が長蛇の列でもご心配なく。
お堂には一気に100名以上が入れますし、30分おきになさる法話の順番待ちなだけ。
列が門前階段辺りだと、次の法話タイムに充分入れます。

滞在時間の目安:1時間

 
 

【五感を満たして、法話でリセット♪】

-こんな時に訪れてみよう!- (流れを変えたい)

なぜ?なぜこんなに人気なの?
宣伝力?と思っていたのですが、今月、仕事で3回も参拝し、その魅力に取りつかれました。
 
しっかりと作り込まれた法話。
まるで落語のように、難しい禅の教えを身近な内容に例えて、面白おかしく話して下さる。
しっかり作り込まれているから、わかりやすくて安心して聞ける。
笑いあり、学びあり、そして心がハッとしたり、ホッとする。
 
こんなにお寺が多い京都で、必ず法話が聞けるお寺って、殆ど・・・ない。
お願い事が他のお寺や神社よりも叶うから人気・・・かどうかはわからないけれど、
 
1.必ず法話が聞けること。しかも、安定した話術と内容で。
2.わらじ地蔵菩薩がサンタクロースのように家に来て願いを叶えて下さるという特徴。
3.28年掛けて完成させた365日鳴き続ける鈴虫の生演奏があること。
 
これら3つの特徴を作り込み、美しくまとめ上げた台本にして、面白おかしく語って下さることで、人の心に残り、口コミ力を引き起こして、人気寺院になったと感じます。
耳から目から鼻からお肌から、お茶菓子も出てお口から・・・五感を満たす演出がさりげなく。
 
最後に、軽くなった心でお庭を巡ると・・・産声を上げたばかりの新緑、歳月を重ねた石や苔、竹林が優しく染み込んできます。そして松尾山麓から京都市内を一望。自分と自然と町が一つになって調和しました。
手間をかけたり、面と向かって話したり・・・そしてリアルな空間が、やっぱり人の心を動かすんだな~と実感したヒトトキです。

訪問日時:2017年5月18日 記:ともえ

 
 

文化財の名称:清水寺善光寺堂の如意輪観音

文化浴の種類:アート浴 仏像

所在地:京都府京都市東山区清水一丁目294

アクセス:市・京阪バス五条坂から徒歩11分

今ではすっかり世界中の人々が集う他民族ワールド「清水寺」。

長い参道から境内の隅々まで、清水寺は宗教と観光のバランスがとれた空間だと感じます。レジャー感満載でありながら信仰心を深めてくれる。高貴な香り高くも庶民性もあり。まさに文化浴の坩堝です。

まずご紹介したいのは、地蔵堂の如意輪観音様。どこ?それはどこ?ですよね。
正面ゲート仁王門に向かって左手前。そう、門に入る手前からすでに仏様が出迎えて下さっているのですよ。

門前で写真を撮る世界中の皆さんの幸せな姿を・・・頬杖ついて見つめていらっしゃるのです。

滞在時間の目安:5分

 
 

【清水寺の門前デドックス】

-こんな時に訪れてみよう!- (流れを変えたい)

様々な仏様の中でも、観音様は特に気品と優しさに溢れています。中でも崩し気味に座り(輪王座)、頬に手を掛け首をかしげる如意輪観音様には、リラックスして拝むことができます。

秘仏で拝顔できない仏様も多い中、清水寺地蔵堂の如意輪観音は真正面から、悩みに向き合って下さる気がします。「今のあなたの悩み・・・はてさて・・・どうしましょうかね?」って、首を傾げながら、一緒に悩んで下さるようです。

あ・・・聞こえてきましたよ。「あなたの魂が求めるもの(如意)に従いなさいね。それを妨げるような、上っ面の不安材料や欲望は、ここで打ち砕いてお行きなさいね」って。

訪問日時:2016年10月10日 記:ともえ

 

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