文化財の名称:無鄰菴の止め石
文化浴の種類:庭園浴 その他
所在地:京都市左京区南禅寺草川町31番地
アクセス:地下鉄東西線蹴上駅より徒歩約10分
無鄰菴は大正の元老山県有朋が造営した別荘で、近代の名園として国の名勝に指定されています。
その無鄰菴の所々に丸石に棕櫚縄(しゅろなわ)を十文字に掛けた【止め石】が置かれています。
止め石とは日本庭園や寺社仏閣の境内において、【立ち入り禁止】を表示するために用いられています。
また茶道では路地からの出入りの管理として「これより中に入ることは遠慮されたし」、と関守の役をもたせることから、【関守石】と呼ばれることもあります。
簡単ですぐれたデザイン性に加え、その用途に応じ必要な時に必要な場所に配置することができるのが優れた点でもあります。
滞在時間の目安:3分
【言葉代わりの粋なヤツ】
-こんな時に訪れてみよう!- (侘び寂びたい)
-こんな時に訪れてみよう!- (侘び寂びたい)
その日は無鄰菴の母屋2階を貸しきってスケッチの講座があり、私は先生がお越しになるのを受付前で待っていました。
受付前の小さなお庭もとても趣があり、とても素敵でほっこりしました。
そこにちょこんと黒い縄が掛けられた可愛い石が。
この時点で私は【止め石】というものを知らなかったのですが、なんとなくここからは入らないでね...っていう意味なのかな?とひとり考えていました。
中の見事な名勝庭園にも小橋の端など所々にその石が置いてありました。
スケッチ講座の時に先生が、「さっき庭園をぐるっと見てきて止め石を見ていましたか?止め石を描いてみましょう」とおっしゃったとき、ハッとしました。
立ち入り禁止、と文字にするのではなく、石を置くことでここからは入れませんよ~と優しく諭してくれているような。
文字を見せないことで景観を統一感を持たせ美しく保つのにも一役かっています。
ちょこんとかわいくて、役にたつ。
無言で有能な止め石、粋なヤツです。
訪問日時:2018年12月15日 記:あやこ
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