文化浴ポイント京都編

 

文化財の名称:龍安寺 知足のつくばい

文化浴の種類:庭園浴 寺院

所在地:京都市右京区龍安寺御陵下町13

アクセス:京福電鉄 龍安寺駅下車 徒歩7分

方丈の北東に据えてある銭形のつくばい。

中央に四角く水をためる穴があり、それを口にみたて周囲に四文字。
口の上に「五」、右に「隹」、下に「疋」、右に「矢」。
これを上から時計回りに「口」をつけて読んでみると「吾唯足知」(われただたるをしる)となります。

禅語「知足」とは「足りることを知り、分に案ずること」とあり、中国の古典「老子」33章の中にある「知足者富」という一節が由来に。

このつくばいは徳川光圀公から寄進されたものと伝れられています。

滞在時間の目安:10分

 
 

【足りないことを受け入れる】

-こんな時に訪れてみよう!- (無になりたい)

20代の頃は、今の自分の年齢にはもう成熟した大人になっているもんだと勝手に思っていました。

ところがところが...

成熟どころか、日々いろんなことに迷ったりこんな自分じゃダメだと感じたりするのは昔となんら変わっていないようにも感じる時があります。

ただひとつ言えるのは、年を重ねるにつれて受け入れることができてきた、ということ。悪く言えばあきらめ、ともいうのでしょうか。

自分の欠点、他人の欠点、心ない言葉、考えの相違、自分の現実...挙げればキリがないけれど、それもひっくるめてそれが今の自分なのだということを受け入れることができている、ということ。

吾唯足知
足るを知る。

私の解釈としては、物事や自分の心の本質をきちんとわかっている人は幸せでたくましいではないか、という風に捉えています。
自分に足りないことをきちんとわかった上で、自分にできる最大限のことをする。

しとしとと小雨が降る中、このつくばいをぼんやり眺めて、そんなことを考えていました。
ふっと周りを見れば、そこは私1人の空間に。何て贅沢!
目を閉じて、雨とつくばいの水の音を聴きながら幸せな気分になりました。
今の自分もまたいいじゃないか、と慰められたような...。

訪問日時:2018年9月15日 記:あやこ

 

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