文化浴ポイント京都編

 

文化財の名称:光縁寺 寺紋 「丸に右離れ三つ葉立葵」

文化浴の種類:たてもの浴 寺院

所在地:京都市下京区綾小路西入四条大宮町37

アクセス:阪急電鉄「阪急大宮」駅より徒歩3分

光縁寺は新撰組ゆかりのお寺。
新撰組総長だった山南敬助ほか隊士のお墓があります。

こちらの寺紋は「丸に右離れ三つ葉立葵」。
徳川家康でお馴染みの三つ葉葵の御紋ですが、これは三つ葉の立葵(タチアオイ)。右の一葉だけ茎から離れていることから「右離れ」といいます。

山南敬助の家紋も同じだったこと、当時の住職良誉上人と山南が同年だったこと、などでふたりの間に親交が生まれたそうです。そのご縁から、屯所で切腹した隊士たちの供養や埋葬が光縁寺で執り行われ、山南自身も旧前川邸で切腹後、近藤勇達によってここで葬儀が営まれ、埋葬されました。

山南敬助の性格は温厚で心優しく、隊士たちに慕われ、壬生村の女子供たちからも慕われていたと言い伝わります。

滞在時間の目安:5分

 
 

【紋から始まる絆】

-こんな時に訪れてみよう!- (逸話にふれたい)

光縁寺に訪れたのは台風が迫る大雨の日。
こちらのお寺では様々な植物をとても綺麗に育てられていて、雨に濡れた草花は美しく、心もしっとり潤わせてくれました。

新撰組の山南敬助と住職の良誉上人。
紋が同じという共通点から始まったふたりの親交。

わずか2年の歳月の中で、思いがけない共通点に親睦を深めたかと思えば、壮絶過ぎる別れ。

出来事に目が行きがちな歴史ですが、人と人との心の交流ドラマに胸が熱くなります。
享年33歳、切腹した山南を弔う時、どんな状況だったのだろうと、まさに葬儀が執り行われた本堂で、色々と考えてしまいました。

立葵の花言葉は「あなたの美しさは気高い・温和」。太い茎が真っ直ぐに伸びる姿に気高さを、丸いフリルの花びらに温和さを感じます。まるで、ふたりの絆がシンボライズされた花言葉のよう。

鉄の戒律「局中法度」により、縛り上げることで結束を高めようとした新撰組ですが、心の絆は自由だからこそ強く結ばれる気がします。だから、ふたりの心は今も繋がっている気がします。

雨に濡れる葉っぱの隙間から、ふたりを結んだ「丸に右離れ三つ葉立葵」が、そんな心を放っているかのようです。

訪問日時:2017年10月21日 記:あやこ&ともえ

 

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