文化財の名称:矢田寺の救い絵馬
文化浴の種類:民俗浴 宗教
所在地:京都市中京区寺町通三条上ル天性寺前町523
アクセス:京都市営地下鉄市役所前駅より徒歩約3分
寺町三条を少し北上すると、賑やかな寺町商店街のアーケード内に、矢田寺があります。
平安時代、奈良にあった矢田寺の別院として五条坊門(下京区)に創建され、1579年、現在地に移転されました。
ご本尊は地蔵菩薩。
矢田寺を開山した満慶上人は、閻魔大王に菩薩戒を与えたお礼として、地獄を見学させてもらいました。そこで見たものは・・・炎煮えたぎる釜の中の罪人を救う僧侶の姿。
満慶が何をなさっているのか尋ねると、「私は世の多くの人の苦しむ身代わり」とその僧侶は答えられたとか。地獄から戻った満慶は、自身が見たその僧侶の姿を彫りました。それがこの寺のご本尊であり、苦しみを代わりに受けてくれる「代受苦地蔵」として親しまれています。
地獄で見た情景を絵馬にしたものが「救い絵馬」。
奉納した人の苦しみから救ってくれる絵馬といわれています。
また、本堂前の梵鐘は送り鐘と呼ばれ、六道珍皇寺の迎え鐘がお盆のはじまりに精霊の迎えの合図として鳴らすのに対し、矢田寺の送り鐘は、お盆の終わりに冥途へ精霊を送るために突きます。
滞在時間の目安:5分
【シュールでインパクト抜群の救い絵馬】
-こんな時に訪れてみよう!- (元気がほしい)
-こんな時に訪れてみよう!- (元気がほしい)
とにかくインパクトがすごいです!
思わず、「えっ?!」と二度見してしまうこの「救い絵馬」。
まさに地獄絵図。
煮えたぎる釜の中に罪人が放り込まれています。
その中の罪人を救おうと地蔵菩薩様が罪人の手を引いている絵が描かれています。
こんなコワイ絵が絵馬になるなんて~っ!と思いましたが、絶対に忘れられない絵馬となりそうです。
絵馬で地蔵さまが手を差し伸べられているように、苦しみを救ってくれる絵馬だそうです。
絶対絶命のピンチ!の時に手を差し伸べてくれた人のことは一生忘れないし恩返ししたいと思うものです。
幸せとは、心が満たされている状態でもありますが、自分がつらい時や苦しい時に手を差し伸べてくれる存在がいてくれることでもあるなぁと思ったのでした。
同じ境内に奉納されてある、住職夫妻手作りだというお地蔵様の形をした可愛らしい「ぬいぐるみ守り」も。
地獄絵馬とのギャップがすごい、包容力たっぷりのステキなお寺です。
「救い絵馬」は赤と黒の2色。
シュールで見慣れるとなかなかオシャレに見えてくる不思議。
苦しいこと(煮えたぎる釜・・・?)から抜け出したいとき、奉納してみてはいかがでしょうか。
訪問日時:2017年7月15日 記:あやこ
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