文化財の名称:高瀬川 一之舟入
文化浴の種類:まちかど浴
所在地:京都府京都市中京区一之船入町
アクセス:地下鉄東西線市役所前駅から徒歩5分
高瀬川は京都の中心部と伏見を結ぶ全長約11㎞の運河。
車も電車も無い時代、沢山の荷物を一番楽に速く運ぶ手段は水運でしたから、江戸初期から大正期にかけての約300年間、高瀬川は京都の物流基盤でした。伏見には伏見港があって、そこから淀川を経て大阪へ、大阪湾から全国へと繋がっていたのです。
高瀬川を作ったのは足利家お抱え医師の家系であり豪商の角倉了以。今のお金にして約150億円の私財を投じて開削。代りに船賃を徴収することで、短期間で資金回収し、莫大な利益を得たといいます。
船入りとは舟荷の揚げ降ろしをする船の停泊所のこと。
滞在時間の目安:10分
【人生ドラマを運ぶ川】
-こんな時に訪れてみよう!- (自分をみつめたい)
-こんな時に訪れてみよう!- (自分をみつめたい)
学生、海外旅行者で賑わう飲み屋街木屋町も、この辺りまで来ると穏やか。
高瀬の水面を見ていると、ここから伏見、大阪、全国、海外へと、思いを馳せて開削した角倉了以の知力体力溢れる逞しさが伝わってきます。また高瀬舟を見ていると、国語の時間に読んだ森鴎外『高瀬舟』を思いだして、生き死にをふと感じます。
元長州藩邸の停泊所だった一之舟入を眺めていると、舟の引手の掛け声と共に、幕末の志士たちが、この木屋町を駆け巡ったルートが浮かび上がってくる気がします。
300年の働きを経た今、高瀬川はモノではなく、川辺に憩う私たちに、人生ドラマを運んでくれているのかもしれません。それぞれの人生に与えられたテーマに一生懸命に立ち向かい、がんばって生きた人々のドラマを。
さぁ私も今を生きよう!がんばろう!と、私に力をくれる高瀬川一之船入。今はちょうど桜が見頃。
訪問日時:2017年4月 6日 記:ともえ
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