文化浴ポイント京都編

 

文化財の名称:龍谷大学大宮学舎

文化浴の種類:たてもの浴 その他

所在地:京都府京都市下京区大工町125番地の1

アクセス:京都駅下車、北西へ徒歩約10分

龍谷大学の大宮学舎は、一見洋風建築ですが、実は構造部分がほぼ日本の伝統工法であるため、「擬洋風建築」といいます。

文明開化直後、まだ洋風建築を造る技術や知識が日本に定着していなかった時代、写真や伝聞から見よう見真似で洋風建築を築きあげたもの。外観上は、あたかも石造や煉瓦造のような印象を与えますが、構造部分は日本の伝統工法による木造。石材は柱などの木部に貼り付けられています。これを「木造石貼り」といいます。

横浜で多く用いられましたが、現存するのはここのみです。

「擬=まね」「風=ふり・見かけ」・・・と、B級建築的眼差して見られてきた擬洋風建築。しかし近年、文明開化直後の僅かな期間の、和洋折衷を取り入れた独特且つ貴重な文化財として、重要文化財に指定されています。

滞在時間の目安:10分

 
 

【時と海を越えるハイブリット】

-こんな時に訪れてみよう!- (今を俯瞰したい)

土曜日の夕暮れ、誰もいない大宮学舎をふらり。
例年より早い桜が咲き乱れる中をタイムスリップ・・・

ちょうど今年は明治維新150年。
擬洋風建築を見ていると、怒涛の文明開化の中で、必死に西洋建築を真似て造ろうと心血を注いだ、当時の日本人が浮かんでくるよう。

古代シルクロードの遥か西方から文化が流れ流れて・・・今ではすっかり洋服を着て、洋風建築に住んで、グローバル化の渦中だなぁ。

「学ぶ」の語源は「真似ぶ」や「真に習ふ」とも。

その土地で醸成された文化と時流の文化が融合するハイブリット。時を越え、海を越えて・・・縦糸と横糸が織りなす文化の綾錦。いずれにしても美しく、強い糸の紡ぎ方を真に習いたい。

西日が沈む西方に向かって、そんなことを思う夕暮れ。

訪問日時:2018年3月31日 記:ともえ

 

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