文化財の名称:東寺慶賀門の懸魚
文化浴の種類:たてもの浴 寺院
所在地:京都市南区九条町1番地
アクセス:近鉄東寺駅から西へ徒歩約10分
東寺の慶賀門(けいがもん)は境内の北東角、大宮通に面する門で、京都駅から近いこともあり、現在では参拝者入口のメインゲートのようになっています。
慶賀門は鎌倉時代前期に造られた八脚門。国の重要文化財に指定されています。京都市内の建造物文化財の多くは度々火災に遭って焼失してきたため、鎌倉時代以前のものは大変貴重です。ちなみに、境内西側の壬生通に面する蓮花門(れんげもん)は東寺最古の門で、唯一の国宝です。
懸魚(げぎょ)とは屋根の切妻、すなわち三角形の頂点にある装飾のこと。ハンギングフィッシュ。三角形の上が頭、くりんと巻いた渦の先が尾。木造文化では火事を最も恐れましたから、火事が起こりませんようにと祈りを込めて、屋根回りには魚や波などの水モノを装飾したのです。
仏教伝来と共に中国から伝わってきた装飾ですが、古いものほど細長いサンマ型懸魚であり、新しいものほどマンボウのような丸っこい懸魚になります。鎌倉前期の懸魚は市内でも古く珍しい、オリジナルに近いサンマタイプです。
滞在時間の目安:3分
【時空を越えて】
-こんな時に訪れてみよう!- (キュンと愛でたい)
-こんな時に訪れてみよう!- (キュンと愛でたい)
文化浴をするようになってからすっかり懸魚(げぎょ)コレクターとなりつつあります。
行く先々で懸魚を見つけては写真におさめるというのが、わたしの文化浴の楽しみのひとつでもあります。
数ある懸魚コレクションの中でも、上位に入ることが決定したのが東寺慶賀門の懸魚。
この長い尾びれ!
まるであの高い屋根から本物の魚の干物がつるされたよう。
思わずプププッと笑ってしまいますが、これを見つけるとなんだか得をしたような気分になりました。
「空海様もこんな風に懸魚を見上げていたのだろうか...」
そんな思いにふける瞬間も、自分にとってはまた特別なもの。
東寺の歴史ある重要文化財を堪能した最後にこの懸魚を見つけたことで、空海様に会えたような気がしたのでした。
訪問日時:2018年3月28日 記:あさみん
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