3/10開催|京の歳時記─涅槃図に会いに行く─祈りのかたち

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この物語

静かな堂内に、ひときわ大きな一幅の絵が掛けられています。横たわるお釈迦さま。その周りには、泣き崩れる弟子たち。

2月15日は、お釈迦さまが入滅された日。
この日にあわせて、毎年、2月~3月になると、京都では様々なお寺で、このような涅槃図(ねはんず)と呼ばれるお釈迦さまの最期の姿を描いた絵が公開されます。

その前に立つと、どこか、自分自身の別れの記憶と重なります。人は、必ず別れを経験します。だからでしょうか、この絵は、千年を超えても私たちの心に響くのかもしれませんね。

涅槃会は、死を悼む行事であると同時に、「生きること」を見つめ直す時間でもあります。

だからこそ注目したいのは、お釈迦さまよりも、その周囲の存在です。

泣き叫ぶ者。
静かに手を合わせる者。
ただ、立ち尽くす者。

さらに、たくさんの動物が様々な表情で描かれているのです。天を仰いで泣く象、手で目をぬぐう猿、鹿や鳥までもが嗚咽しています。人も動物も一つの別れを見つめて、深い悲しみに包まれている。

そのわけは、仏の教えが人だけではなく、生きとし生けるすべての命に関わるものであることを物語っているからです。

3月、真如堂では、描かれた動物の数が日本最多といわれる大涅槃図が公開されます。
知識は必要ありません。

お釈迦さまはどんな人生を生き、どんな最期を迎えたのか。
そこに描かれた人や動物は、何を見つめているのか。

午前の部で予備知識を得て、午後は、特別公開中の大涅槃図を前に立ち、体感します。

そして、無病息災を願う「花供曽あられ」をいただいて。別れを大切に想う一日です。

涅槃図 Minneapolis Institute of Art|Public Domain

別れの場面に集まる多くの命。
あなたは、どこに目を止めますか。

京の歳時記

時を越えて受け継がれてきた京都の行事や文化。

京の歳時記では、季節ごとの行事を手がかりに、その背景にある歴史や、そこに生きた人の想いをたどります。

そこにあるのは、“かたち”に宿る“わざ”と“こころ”。日本人が大切にしてきた価値観に出会う物語です。

語り手

松井伸二|涅槃ワールドガイド/文化財ストーリーテラー

愛する京都の文化に、残りの人生をそそぐ語り手。
歳時記の中に息づく祈りと暮らしを、親しみやすく伝えます。

→プロフィールを見る

開催のご案内

募集開催のご案内

この物語は、午前・午後を通して味わう一日の物語としてお届けしております。午前は座学。午後は現地。涅槃会の世界を、一日かけて楽しく理解し、歩きます。

開催日:2026年3月10日(火)【終了】
時間:11:00〜16:00
集合:大正大学京都アカデミア
解散:真如堂界隈
参加費:7,000円(回数券2回分)
実費:拝観料 800円(真如堂)交通費 230円(市バス・約15分)

※ご関心のある方はどなたでもご参加いただけます。初めての方でも安心してご参加ください。

※現地ではイヤホンガイド付きで実施しますので、聞こえづらいことはございません。
※回数券をご利用の場合は、1回あたり3,000円となります(回数券18,000円【6回分】1年間有効)

リクエスト開催のご案内

この物語は、ご希望の日程でリクエスト開催できます。平等院のみの物語、あるいは萬福寺のみの物語としてご案内することも可能です。静かに味わいたい方、京都の文化財を深く味わいたい方、研修やご旅行などで、グループでのご案内をご希望される方のための物語です。

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この記事を書いた人

文化浴の森 主宰|文化浴提唱者
澤野友映(さわの ともえ)

文化財修復の家に生まれ、自らも事業にかかわりながら、2006年より、のべ約1万人に文化財の物語を届けてきました。
その経験のなかで、文化財には人の心身を調える力があることを実感し、「文化浴」と名づけた営みを続けています。
それぞれの歩幅で人生が豊かになるように、文化浴の体験と学びを提供しています。

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