この物語
794うぐいす平安京。そのとき、都の中央に幅28丈(約84m)もの朱雀大路と呼ばれるメインストリートが引かれ、南端に羅城門が置かれました。
そして羅城門の東西には官寺が建てられます。それが東寺と西寺です。屋根は緑色の緑釉瓦(りょくゆうがわら)に朱の柱、白壁の大伽藍という大変カラフルな新都誕生でした。
それから29年、弘仁14(823)年の冬。桓武天皇のあとに即位した嵯峨天皇は、唐で密教を学んできた弘法大師空海に東寺を託します。これが真言密教・根本道場としての東寺の誕生です。
空海はいいました。
「頭で考えるだけではダメ!身体で感じなさい」と。
『燃えよドラゴン』でブルース・リーも少年に言いました。「Don’t think. Feel.(考えるな!感じろ!)」と。武道と仏道の違いはあれ、根本は同じです。
経典を読みまくるよりも、生きているこの身をつかって、今ここで、仏さまを感じなさい。
そうやって、仏さまと一体になることを「即身成仏(そくしんじょうぶつ)」というそうです。来世ではなく、現世で救われずして、何の意味があるのかと。
だからなのでしょう。空海が考案したものやデザイン、唐から持ち帰ったもの、取り組んだ活動は、机上のものではなく体感的なものが多いのです。つまり今流行りの没入体験。仏の教えを体感的に理解させてくれる工夫が、巨大なものから微細なものにまで、様々に工夫が凝らされているのです。
それを知らずして、空海のゆかりの地を巡るなんてモッタイナイ。
例えば、高野山。なんと山全体が密教の教えを現わした「曼荼羅(まんだら)図」として、設計されています。
そしてそして、東寺の講堂「立体曼荼羅」。こちらは、21体もの仏像によって曼荼羅世界を3次元で表現しています。
1200年も前に、すでに空海は、壮大な体感ワールドを私たちのために、わかりやすい「かたち」にして、残してくれているのです。
しかも、「誰もが救われるように」という尊い願いをこめて。
1200年も前に、空海がデザインしたその世界、その心を、今も同じ場所で体感できる。これって奇跡だと思いませんか。
弘法大師空海の壮大な「Don’t think. Feel.(考えるな!感じろ!)」が詰まった珠玉の東寺へ。
さぁ没入体験に参りましょう。
国宝めぐり
| 『国宝』の魅力がよくわからない、単に訪れるだけでなく、深く味わってみたい方へ。 見る眼をもって『国宝』を鑑賞すると、これまで見過ごしてきた価値観や美意識に出会うことができます。知っているようで知らない日本の姿、その奥に流れる技と心。『国宝』は新しい発見に満ち溢れています。 |

語り手

澤野友映|文化財ストーリーテラー/文化浴の森 代表
文化財修復の家に生まれ、15年間、社寺建造物の美術修復に従事。
文化財の内側から見てきた経験をもとに、「かたち・わざ・こころ」を語り伝えている。
開催のご案内
この物語は、午前・午後を通して味わう一日の物語としてお届けしております。午前は東寺。午後は宝物館と観智院。弘法大師空海の築き上げた、「Don’t think. Feel.(考えるな!感じろ!)」を、一日かけて体感します。
開催日:2026年3月28日(土)【終了しました】
時間:10:00〜16:00
集合:近鉄東寺駅 改札口前
解散:東寺界隈
参加費:7,000円(回数券2回分)
実費:1,500円(共通券:金堂・講堂・宝物館・観智院)
※本講座は文化財ストーリーテラー養成コースの一環として実施していますが、ご関心のある方はどなたでもご参加いただけます。初めての方でも安心してご参加ください。
※イヤホンガイド付きで実施しますので、聞こえづらいことはございません。
※回数券をご利用の場合は、1回あたり3,000円となります(回数券18,000円【6回分】1年間有効)
この物語は、ご希望の日程でリクエスト開催できます。東寺のみ、あるいは観智院のみの物語としてご案内することも可能です。静かに味わいたい方、京都の文化財を深く味わいたい方、研修やご旅行などで、グループでのご案内をご希望される方のための物語です。

