【この記事のポイント】
・七十二候「乃東枯(なつかれくさかるる)」は、ウツボグサが夏至のころに枯れることを表す季節のことば
・他の草が元気になる中、枯れる「逆行の草」
・人間も時には逆行して、ちょっと省エネに心を休めるのも大切
・半年の折り返し、無理せず自分にやさしく過ごそう
乃東枯とは?
二十四節気をさらに3分割して、5日ごとの季節を感じさせるのが七十二候(しちじゅうにこう)。
6月21日~25日は「乃東枯(なつかれくさ かるる)」。ちょっと聞き慣れない七十二候のお話です。
乃東、読めませんよね? わたしも正直、読めませんでした(笑)
乃東(なつかれくさ)って、ウツボグサのことで、冬に芽を出して、夏至のころに枯れる…という、あえて逆を行く、ちょっとしたあまのじゃくな生き物なんです。

他の草木が今からぐんぐん伸びるっていうときに、花穂(かすい)が枯れ、すっかり褐色になってしまいます。
花穂とは、書いて字のごとく、穂のような形に群がって咲く花のこと。
きっと他と逆を行く姿が不思議に見えたんでしょうかね。昔の人は「乃東枯(なつかれくさ かるる)」って呼んで、この時期の象徴にしたようです。

あえて逆を行く
逆行するって、時には人間にも必要やと思いません?
みんなが頑張るからって、自分まで無理して合わせんでも、「ちょっと一人で枯れてみる」くらいの余白があってもええんちゃうかなぁ、て。
半年が過ぎようとするこの頃、
ちょっと省エネで、自分に優しくして過ごしましょ。
ほんで面白いのが、実はこのウツボグサ、ほんまに枯れてるわけやないんですわ。
褐色になるから、枯れてしまったように思われますが、そっと地を這うように、土に足つけて、小さな葉をひっそり広げながら、ちゃんと冬を越して、また春を待つんです。
人間もおんなじやと思います。
見えんところで心を養う時間、ぜったい無駄ちゃいますから。
人とはちゃうところで、ちゃう時に咲く生き方がありますから。
