歩く文化浴 ── 歩いて整える、わたしのこれから

【この記事のポイント】
・最近、歩かなくなったことで、体力が落ちた!?
・教える・伝える・語るは、自分を耕す
・連載「歩く文化浴」への思いとこれからのテーマ紹介

目次

近頃、体力が落ちたその理由は?

正直に申します。
近頃、体力が落ちました。
疲れやすくなりました。

そんな変化を感じるたびに、心のどこかがザワザワします。

歳なんやろか?
更年期障害か?

・・・いや、それだけではなさそうです。
心当たりがあります。

今年あたりから以前より歩いていないんです、私。

はっきりと理由があるわけではないけれど、本能的に身体の奥で、血や気が巡っていないような、そんな感覚──。どこか滞っているような重さが、うっすらとまとわりついています。

なぜ歩かなくなったか?

大きな理由のひとつは、今年フットケアサロンの実店舗を閉じたことにあると思います。

サロンを閉じたことで、足のケアのこと、靴のこと、歩くことを誰かに伝えることが極端に減りました。

伝えることは、自分自身を耕す

「学びの法則」とよく言われます。
ただ読む・聞く・見るだけでは理解度は10%、でも人に教えるとそれが90%になるという法則。

私はこれまで、足・靴・歩行のセラピストとして、たくさんの“足の声”を聴いて、たくさんお教えしてきました。

相手にわかってもらうためには、私自身を実験台にして、その道理を身をもって理解し、ひと様に教える以上は、率先垂範してきたのだと思います。

そういえば、ストーリーテラーの皆さんも同じです。
誰かに伝えようとすることで、どんどん知識が自分のものになり、日本文化や文化財を人生に活かしながら、人間関係までも活発にされている。

教える・伝える・語るという行為には、人を動かすだけでなく、自分自身の内側を耕す力があるのだと、あらためて感じています。

だからこそ今、ふと立ち止まって思うのです。

ひと様に伝えなくなっただけで、ここまで緩んでしまうとは……。
自分の意志の弱さに、苦笑いです。

歩くことは、私たちにとってあまりにも当たり前な動作だからこそ、その「揺らぎ」は、思いのほか深い──。
いま、まさにそれを身をもって感じています。

連載「歩く文化浴 ── 歩いて整える、わたしのこれから」

だからこそ私は、

文化財の語り手として、
そして、足・靴・歩行のセラピストとして、

「文化を楽しみながら、心身を整える」という視点で、もう一度ここで、「歩くこと」を語っていこうと思います。

歩くことは、ただの移動じゃない。

それは、心と体と頭を整える最高の営み。

文化財に触れれば、心がほぐれ、歩いて巡れば、体が元気を取り戻し、内側から健やかになる。

文化財に興味を抱き、人に伝えようとすれば、思考が磨かれ、脳も活性化していく。

一歩ごとに、昨日とは違う自分に出会える。

文化を味わう歩みは、人生そのものを健やかにする“処方箋”です。

この連載では、日々の足元を見つめながら、文化浴の森らしく、二十四節気ごとのフットケアや靴の選び方、健康になる歩き方のコツ、おススメ京都のおさんぽコースなど。

五感や心身に寄り添うような大人のための“健やかな歩き方”をご紹介していきます。

この連載が、あなたとわたしの“歩く日々”に、新しい喜びをともせますように。

【文化浴の森情報便】

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この記事を書いた人

文化財修復業を営む家に生まれ、一般企業を経て、自らも文化財修復の世界へ。
15年間、数多くの修復に携わってきました。

2006年からは、文化財の魅力をもっと身近に伝えたいという思いで、文化講座をスタート。
これまでに受講された方は、のべ9,500人を超えています。

2016年、「足から健康!心に文化浴」をスローガンに掲げ、文化財を“見て歩く”ことで心と体が元気になる効果に着目し、それを「文化浴」と名付けて、一般社団法人文化浴の森を設立しました。

2018年からは、大人のための学び舎「文化浴大学」にて定期講座を開講。
そして2024年10月には、日本文化を“心から心へ”世界に伝える「文化財ストーリーテラー養成講座」をスタートしました。

文化財を語ることで、人生の後半に新たなキャリアと誇りを持てるように。
同時に、文化財そのものの価値も未来へとつなげていけるように。
そんな想いで、日々活動を続けています。

著書に『ウォーキング&文化を楽しむ京都健康さんぽ』(いろは出版)。

文化の宝と出会い、歩いて深呼吸するように、自分自身を発見する。
そんな時間を大切に、これからも“文化浴”を届けていきます。

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