文化財の名称:渡月橋と琴きき橋跡
文化浴の種類:まちかど浴
所在地:京都府京都市右京区嵯峨中之島町
アクセス:阪急嵐山駅から徒歩10分 嵐電嵐山駅から徒歩10分
嵐山のシンボル的存在、渡月橋は、大堰川(桂川)と中州である中ノ島公園の間に架かる橋。
平安時代、空海の弟子、道昌が法輪寺(虚空蔵さん)の参道に架橋したのが始まりとされる。
鎌倉時代、亀山上皇が、橋の上空を移動していく月を眺めて「くまなき月の渡るに似る」と感想を述べたことから渡月橋と名付けられた。
江戸時代初期、現在の位置に高瀬川や保津川を開削した角倉了以が架けたとされる。
そして1934(昭和9)、現在の橋が完成した。長さ155m、幅11m、車道は2車線で、両側に一段高くした歩道がある。橋脚と橋桁は鉄筋コンクリート製だが、欄干部分は嵐山の風景にとけ込むように木造である。
渡月橋は観光名所であるとともに今も重要な交通路である。
滞在時間の目安:5分
【澄み渡る夜空の満月のように・・・】
-こんな時に訪れてみよう!- (清らかになりたい)
-こんな時に訪れてみよう!- (清らかになりたい)
雲一つない満月の夜に、大堰川で舟遊びをされた亀山上皇が詠まれたという「くまなき月の 渡るに似る」。
月が橋の上を渡るように見えることから、「渡月橋」と命名されたという。
満月のように、くまなく澄み渡る心で、人生を歩めたらいいな~。
それにしても、渡月橋には満月が似合う。
直線に近い橋と円い月。
亀山上皇がこの歌を詠まれるよりもはるか昔、平家物語・小督。
「糸竹の こえ澄み渡る 月夜かな」
平清盛の娘、建礼門院徳子を中宮にもつ高倉天皇に寵愛を受けた小督局。
寵愛を受ける小督は、清盛の怒りに触れ、身を隠したのがこの界隈という。
身を隠した小督の捜索願を、源仲国に託した高倉天皇。
笛の名手であった仲国は、琴の名手であった小督の心を読み・・・
きっと満月の夜はその光のもとで琴を弾くに違いない。
・・・と、満月の晩に琴の音をたよりに捜索したという。
やっぱり・・・聴こえてきた。
仲国は琴(糸)の音に合わせ、笛(竹)の音を奏でるのだった。
という、十五夜の切なくも美しい物語。
橋の北たもとには、琴きき橋の碑がある。
「渡月橋」・・・そんなとても抒情的な橋。
訪問日時:2017年11月 3日 記:ともえ
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