文化浴ポイント京都編

 

文化財の名称:東福寺 通天橋 見晴台の蟇股

文化浴の種類:たてもの浴 寺院

所在地:京都市東山区本町15丁目

アクセス:JRまたは京阪電車「東福寺」駅より徒歩約15分

東福寺の通天橋は言わずと知れた、京都を代表する紅葉の名所。

橋の途中に見晴台があり、この見晴台は有名なJR東海の京都観光情報「そうだ京都、行こう」の1997年秋のポスターに使わています。
その時のキャッチコピーは
「六百年前、桜を全部、切りました。
春より秋を選んだお寺です。」

見晴台の蟇股(かえるまた)は絶景を彩るのに一役買っています。
蟇股とは、寺社仏閣などで梁や破風に補強を兼ねてつける飾り彫刻のこと。
そのシルエットが蛙の股のように見えることから蟇股と呼ばれるようになりました。
その装飾様式で、その建物の建立時代を判定できる部材の一つです。

滞在時間の目安:10分

 
 

【いつでもここで絶景と深呼吸を】

-こんな時に訪れてみよう!- (清らかになりたい)

恋はやさし~野辺の花よ~♪

優しい歌声をバックに、眼鏡をかけた女優の波瑠さんが京都の名所を巡る「メガネの三城(パリミキ)」のCM。
ちなみに優しい歌声の主はハンバートハンバートという男女二人組デュオだそうです。

最近その歌と映像が離れません。

そのCMにも登場している東福寺、通天橋の見晴台。
波瑠さんが見晴台に立って景色を眺めており、その画面でもこの見晴台と蟇股のシルエットが非常に美しく際立っています。
(CMのショートバージョンでは横側からしか映っていないと思います。)

この蟇股があるのとないのとでは印象が全然違うはず!!
それくらいこの蟇股は印象深く、鮮やかな景色とフォルムのコントラストが美しく映えます。

このCMを見るたび、自分が通天橋を訪れた時のことを思い出します。
私は新緑の季節に訪れました。
見晴台は人でいっぱいでしたが、見晴台で深呼吸をすれば開放的な気持ちになるものですね。

光射す蟇股の美しいシルエットと絶景の新緑に心をぐっとほぐされて。

爽やかで清々しい空気と気持ちをたくさん取り入れ、元気をたっぷりいただきました。

訪問日時:2018年5月26日 記:あやこ

 
 

文化財の名称:東福寺 本坊庭園 小市松模様の庭

文化浴の種類:庭園浴 寺院

所在地:京都市東山区本町15―778

アクセス:JRまたは京阪電車「東福寺」駅より徒歩約15分

東福寺は臨済宗東福寺派大本山の寺院。

その中にある本坊庭園のなかの庭園のひとつ(北庭)。
この本坊庭園は枯山水式の禅院庭園で、1939年に作庭家の重森三玲によって完成されたもの。鎌倉時代庭園の質実剛健な風格を基調とし、現代の芸術の抽象的な構成を取り入れた表現となっている。

広大な方丈には東西南北に四つの庭が配されており、釈迦成道を表現し、東福寺方丈「八相の庭」と称されていましたが、2014年に国指定名勝に登録されたことで「国指定名勝 東福寺本坊庭園」と改名しています。

この北庭は恩賜門内に敷かれていた敷石を再利用し、石と苔を幾何学的な市松模様に配しています。

滞在時間の目安:20分

 
 

【余韻に浸る小市松模様の庭園】

-こんな時に訪れてみよう!- (清らかになりたい)

友人から誕生日プレゼントに一冊の本をもらいました。

【仕掛けに感動する「京都名庭園」】
庭園デザイナーの烏賀陽百合さんの著者。

一気に読みました。
庭園の美しさはもちろん、作り手の意図や仕掛け。
知って眺めるのと、知らずに眺めるのとではまた捉え方感じ方もまったく違うのだろうな、とすべての庭園を訪れたくなりました。

その数日後、まずは一番気になった東福寺の本坊庭園へ。

東福寺へは一度訪れたことがあるけれど、その時は時間がなく本坊庭園は拝観できなかったので、あのとき見れなかった庭園が見れる!!とウキウキして向かいました。

前の3つの東、南、西の庭園を見てストーリーがあったからかもしれません。
北庭(小市松模様の庭)を見て、はぁぁ~っとため息がもれました。

ぷっくりした苔と落ち着いた四角の石のコントラスト。
苔の色のグラデーション。
奥にはきれいにつつじの花が咲いていました。
美しい・・・。
四角い市松模様なのに、モダンでありながら柔らかい印象も受けるのは、苔と石の組み合わせの妙なのでしょうか。

手前から奥に向かって徐々に市松模様が消えていくというのも、目線を奥にやるにつれ余韻が残って、飽きもせずにずっと眺めていられます。

前述の烏賀陽さんの著者で、このお庭を案内したヨーロッパの女性2人が別々な時にこのお庭を見て涙を流されたと記されていました。

私は涙を流すまではならなかったけれど、ちょっぴりその気持ちはわかる気がしました。

重森三玲さんはこのお庭を43歳の時に作庭されたそうです。
今年私はちょうど43歳。
今の私と同い年だった三玲さんが作った渾身のお庭が、今も人々に愛され続けているということ。
その苦労や喜びをこのお庭の美しさから垣間見るとき、私たちも自分の人生に重ね合わせるのでしょうか。

このお庭のようにシンプルでありながら奥深く、やわらかな余韻を残せる人でいたいとしばし見とれていました。

訪問日時:2018年5月27日 記:あやこ

 
 

文化財の名称:勧修寺 氷室の池

文化浴の種類:庭園浴 寺院

所在地:京都市山科区勧修寺仁王堂町27―6

アクセス:地下鉄東西線「小野駅」より徒歩7分

勧修寺は真言宗山階派大本山、醍醐天皇の勅願寺です。

その勧修寺の庭園「氷室園」にある「氷室の池」。
「氷室」の名は平安時代1月2日に、ここに張った池の氷を宮中に献上し、氷の厚さで五穀豊穣を占ったという伝承があるため。

広大な自然美がひろがる池泉回避式庭園で、特に新緑から初夏にかけては睡蓮や蓮、花菖蒲など様々な花が彩ります。

滞在時間の目安:20分

 
 

【水面に時空を感じて】

-こんな時に訪れてみよう!- (清らかになりたい)

訪れた日は睡蓮が綺麗に咲いていました。

水面に映える睡蓮の綺麗なピンク色。
水面に映る空の色。

そこへすいすい~っと鮮やかな鯉が泳いできては見えなくなり、また見えては見えなくなり。その余韻がまた心地よく・・・。

自然の美しさにこの上なく幸せを感じました。心がふわっと軽やかに優しくなります。

平安時代からあるというこの池。
何度となく、移ろいゆく季節の花を咲かせ、空の色を映してきた水面。

この先もずっと残していきたい景色ですね。

池のまわりをちょっと進むと、
「この先行かれるのはご自由ですが大いに危険」の看板があります。
大いに危険エリアにはいかずでしたが、気になりました。
次はちょっとだけいってみようかな・・・?


訪問日時:2018年5月19日 記:あやこ

 
 

文化財の名称:渡月橋と琴きき橋跡

文化浴の種類:まちかど浴

所在地:京都府京都市右京区嵯峨中之島町

アクセス:阪急嵐山駅から徒歩10分 嵐電嵐山駅から徒歩10分

嵐山のシンボル的存在、渡月橋は、大堰川(桂川)と中州である中ノ島公園の間に架かる橋。

平安時代、空海の弟子、道昌が法輪寺(虚空蔵さん)の参道に架橋したのが始まりとされる。
鎌倉時代、亀山上皇が、橋の上空を移動していく月を眺めて「くまなき月の渡るに似る」と感想を述べたことから渡月橋と名付けられた。

江戸時代初期、現在の位置に高瀬川や保津川を開削した角倉了以が架けたとされる。

そして1934(昭和9)、現在の橋が完成した。長さ155m、幅11m、車道は2車線で、両側に一段高くした歩道がある。橋脚と橋桁は鉄筋コンクリート製だが、欄干部分は嵐山の風景にとけ込むように木造である。

渡月橋は観光名所であるとともに今も重要な交通路である。

滞在時間の目安:5分

 
 

【澄み渡る夜空の満月のように・・・】

-こんな時に訪れてみよう!- (清らかになりたい)

雲一つない満月の夜に、大堰川で舟遊びをされた亀山上皇が詠まれたという「くまなき月の 渡るに似る」。
月が橋の上を渡るように見えることから、「渡月橋」と命名されたという。

満月のように、くまなく澄み渡る心で、人生を歩めたらいいな~。

それにしても、渡月橋には満月が似合う。
直線に近い橋と円い月。

亀山上皇がこの歌を詠まれるよりもはるか昔、平家物語・小督。

「糸竹の こえ澄み渡る 月夜かな」

平清盛の娘、建礼門院徳子を中宮にもつ高倉天皇に寵愛を受けた小督局。
寵愛を受ける小督は、清盛の怒りに触れ、身を隠したのがこの界隈という。

身を隠した小督の捜索願を、源仲国に託した高倉天皇。
笛の名手であった仲国は、琴の名手であった小督の心を読み・・・

きっと満月の夜はその光のもとで琴を弾くに違いない。

・・・と、満月の晩に琴の音をたよりに捜索したという。

やっぱり・・・聴こえてきた。
仲国は琴(糸)の音に合わせ、笛(竹)の音を奏でるのだった。
という、十五夜の切なくも美しい物語。
橋の北たもとには、琴きき橋の碑がある。

「渡月橋」・・・そんなとても抒情的な橋。

訪問日時:2017年11月 3日 記:ともえ

 
 

文化財の名称:渡月橋川上の堰

文化浴の種類:まちかど浴

所在地:京都市西京区嵐山中尾下町60

アクセス:阪急嵐山駅から10分、嵐電嵐山駅から5分

桂川は水源の丹波山地から亀岡盆地あたりまでを「桂川」、亀岡から京都盆地に入り込む峡谷は「保津川(ほづがわ)」、嵐山渡月橋付近は「大堰川(おおいがわ)」、そして渡月橋より下流は再び「桂川」と呼ばれ、淀川へと繋がります。

古代からよく氾濫した渡月橋付近の大堰川は、5世紀頃に渡来した秦氏によって、治水開発工事が図られました。

渡月橋から川上に目をやると、木の杭を並べた堰(せき)が目につきます。これを一ノ井堰や葛野大堰(かどののおおい)といい、大堰川の名の由来と推測されます。

秦氏はこうして川の流れを堰止め、川岸に農業用水路を引いて田畑の開拓を大々的に行いました。今も地域の田畑を潤わせ、京野菜やお米を育んでいます。

滞在時間の目安:10分

 
 

【あぁ川の流れのように、いつまでも・・・ご馳走様】

-こんな時に訪れてみよう!- (清らかになりたい)

あぁ川の流れのように・・・ゆるやかに
いくつも時代を越えて・・・

当たり前にいただいている、毎日のお野菜やお米。
渡月橋を渡りながら川上の堰を望むと、農耕民族日本人の原点を感じます。

平地で農業をするには、川から水を引く必要があることに気付かされます。
古代の原始的な技術では、それは簡単なことではなかっただろうに・・・。こうして今も利用される堰や水路を築いた農業の礎。素晴らしいなぁ。

今も暮らしに活きる文化財、一ノ井堰とキラキラ輝る水面に感謝。

あぁ川の流れのように・・・いつまでも
青いせせらぎを聴きながら♪

いただきます!ごちそうさま!
って言える毎日でありますように☆

訪問日時:2018年3月13日 記:ともえ

 
 

文化財の名称:梨木神社 参道

文化浴の種類:建造物文化財 神社

所在地:京都市上京区寺町通広小路上ル染殿町680

アクセス:京都市営地下鉄 今出川駅から徒歩約10分

京都御苑の東隣にある梨木神社の参道。
長さ約250メートル。

梨木神社の御祭神は明治維新の功労者、三條実萬(さねつむ)、実美(さねとみ)父子。実萬はその菅原道真の生まれ変わりといわれたほどの博学者で、早い段階から王政復活を唱えた人物です。

その子である実美は、東京遷都に伴い、京都御所廃止案が持ち上がる中、京都御所を守るべきと明治天皇に進言し、その後の京都の発展にも尽力した人物です。

父子の邸宅跡に建てられた梨木神社には、唯一現存する京の三名水のひとつ「染井の水」があります。甘味のあるまろやかな口当たりです。

また萩の名所でもあり、毎年9月中旬~下旬にかけて「萩まつり」が行われています。

滞在時間の目安:10分

 
 

【緑と静寂と風の参道】

-こんな時に訪れてみよう!- (清らかになりたい)

私はこの文化浴ポイントを書き出すようになってから、お寺や神社での好きなところのひとつが「参道」なのだと気づきました。

鳥居や門をくぐると、空気感がふわっと変わること。もちろん、ガラッと変わるな~!と感じる場所もあります。
そして、参道を一歩一歩歩くと、聖域へ近づいているという感覚。

そんな空気感を楽しみながら、今日はどんなことをお祈りしようかと考えたりしながら歩く参道で、心が自然とリセットされているのだと思います。

この梨木神社の参道は萩などの植物に囲まれた、すうーっと長い道のりです。
日差しと木陰のコントラストも好きなもののひとつ。
静寂の中で風が吹き、植物がさわさわと揺れる時、なんとも言いがたい幸福感に満たされるのです。

訪問日時:2017年11月26日 記:あやこ

 
 

文化財の名称:光縁寺の法話

文化浴の種類:無形文化財 その他

所在地:京都市下京区綾小路西入四条大宮町37

アクセス:阪急電鉄「阪急大宮」駅より徒歩3分

「南無阿弥陀仏」、何千年前のインド。

ナムアミターバ アーラミダス ブッダ。それは中国で意味に訳されず、そのまま漢字に当てはめて、「南無阿弥陀仏」とされました。ですから、そのまま読んでも、意味がわかりにくいのです。

そこで光縁寺住職が、わかりやすく、教えて下さいました。

「南無」は、ナマステと同語源。信頼する、尊敬する、帰依する。
「阿」はnot、unable。否定するための冠詞。次にくる言葉を否定します。
「弥陀」は「承知しました(家政婦のミタ)」のミタではなく(笑)、量る。サンスクリット語からラテン語、イングリッシュへと伝わった、メーター、メジャー、メートルの語源。

何を計ることができないのか?それはアミターユス(=命)。父母、爺婆・・・色んな遺伝子、色んな命。アミターバは光。種があって、土があって、雨があって、太陽があって、芽が出て、花が咲いて・・・計り知れない命の数々。

計り知れない命のお陰様で生きている私達。光に敬愛する、感謝する。真実に目覚めた仏に感謝する。

それは、食前の「いただきます」と食後の「ごちそうさま」と全く同じ意味なんですよ。それをカタチに表すことが「合掌」なんですよ。


修学旅行生達に、新撰組の話のみならず、こういったお説法を自らされるご住職。
お寺の数は多かれど、ご法話を聞ける寺院は数少ない。
もしも運よく、ご住職のご都合が合えば、ご法話を聞かせて頂けます。

滞在時間の目安:20分

 
 

【南無阿弥陀仏の意味】

-こんな時に訪れてみよう!- (清らかになりたい)

新撰組ゆかりの光縁寺ご住職は、とても魅力的な方で、ジョークが入るお話は大変面白く、とても興味深い。

外柔内剛の物腰は、山南敬助と良誉上人の絆を受け継がれているかのよう。
わかりやすいから、仏教の真が身に染みる。

知っているようで知らなかった「南無阿弥陀仏」「いただきます」「ごちそうさま」「合掌」。

計り知れない命の連鎖を感じる時、私は大きな何かに抱かれた気がして、ホッとする。それが文化財に触れる時の幸せポイント。

手を合わせ、「南無阿弥陀仏」と口にしたら、遠く離れた遥か昔のインドに通じる気がした。

今朝の朝食はヨーグルトになった牛のお乳と兵庫県産の無花果。遠く離れたペルーやメキシコのブレンドコーヒーの豆。

色んな命に感謝。合掌。

訪問日時:2017年10月17日 記:ともえ

 
 

文化財の名称:六角堂 本堂

文化浴の種類:建造物文化財 寺院

所在地:京都府京都市中京区堂之前町248

アクセス:京都市営地下鉄烏丸御池駅から徒歩3分

六角堂の愛称で親しまれる、紫雲山頂法寺(しうんざんちょうほうじ)。

隣のビルwest18の3つあるエレベーターは、一番北(左)側だけ、ガラス張りになっているので、上から本堂の屋根が六角形になっていることを体感できますよ♪

人間には六根、つまり六つの感覚(眼・耳・鼻・舌・身・意)があります。
その六根により、心に煩悩が生じてしまいます。

西国33所や洛陽33所の巡礼地でもある六角堂には、こんなご詠歌が歌い継がれています。

『わが思う 心の内は六つの角 ただ円かれと 祈るなりけり』

滞在時間の目安:10分

 
 

【6つの心の角をまぁるくまるく】

-こんな時に訪れてみよう!- (清らかになりたい)

少し高所恐怖な私、ドキドキしながらエレベーターから六角を望む。
今度は下から、大きな六角ボディの年季を感じて、ぐるりと回る。

自分の中の六つの角を感じながら。
「足るを知る」だよねって昨日、ステキな薬膳師さんと話したことを思い出しながら。
六角堂をぐるりぐるりと回ってマイセルフミキサー。

池の鯉が飛ぶポッチョンの音、石壁を伝い続ける水の音、ほのかなお線香の香り・・・音から情景が浮かび、香りが身を包む。
眼・耳・鼻・舌・身・意・・・それぞれの境界線が消えて、何だかココロがまぁるく一つになって、清められてきた感じ♪

これも六根清浄のうちなのかな~?
こうして感じられる「今」に、感謝。

訪問日時:2017年6月25日 記:ともえ

 

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