文化浴ポイント京都編

 

文化財の名称:地蔵院 竹林の参道

文化浴の種類:庭園浴 寺院

所在地:京都市西京区山田北ノ町23

アクセス:阪急電鉄嵐山線「上桂」駅下車徒歩12分

地蔵院は臨済禅宗の寺で、1367年、南北町時代の幕府管領細川頼之公により建立。

とんちで有名な一休さん(一休宗純禅師)の幼少期を過ごしたお寺でもあります。

通称「竹の寺」と呼ばれており、総門からの本道に至る参道の両脇は圧巻で美しい竹で囲まれていいます。京都市の文化財環境保全地区に指定されています。

新緑の季節、秋の紅葉・・・四季を通じて様々な顔をみせてくれる参道です。

滞在時間の目安:20分

 
 

【別世界へと誘う竹林の参道】

-こんな時に訪れてみよう!- (侘び寂びたい)

総門が見えると、そこは一気に別世界。
涼しげな新緑に包まれました。

ただ、総門までの道のりは序章。
総門をくぐると、両脇に竹林が広がります。
緑の世界。
思わずため息がもれました。
なんて神秘的で美しいのだろう、と。

まっすぐ天に向かってぐんぐん伸びる躍動感と、緑色の穏やかさ。
凛としてクール、それでいてたおやか。

本堂に向かう参道、風がそよぐさわさわとした音も加わって、心がすぅっとシンプルになるのを感じました。

秋の紅葉の時も素晴らしいのだろうな。


訪問日時:2018年4月22日 記:あやこ

 
 

文化財の名称:東寺 講堂の屋根

文化浴の種類:たてもの浴 寺院

所在地:京都市南区九条町1

アクセス:近鉄東寺駅より徒歩7分

真言宗総本山の東寺の中にある、講堂の屋根。

講堂は弘法大師空海が真言密教の教えを説き伝えるために、835年に完成されましたが、1486年の土一揆で焼失。現在のものは1491年に再建され、現在に至っています。

屋根は本瓦葺。
焼成最終工程で、「いぶし」と呼ばれる燻化を行うことで、表面に炭素の膜をつくります。この膜に光が反射することで、いぶし銀のような渋い色を放ちます。

良い瓦は炭素が中まで染み込んでいますから、膜がはがれても長持ちします。長持ちする分、時を経る毎に、瓦一枚一枚が違う色味を醸し出し、屋根全体で味わい深いまだら模様に変化します。

悠久の「時」が生み出す美しさです。

滞在時間の目安:10分

 
 

【時が生み出す、まだらな美しさ】

-こんな時に訪れてみよう!- (侘び寂びたい)

講堂の内部は圧巻の立体曼陀羅。

立体曼陀羅の息を飲むような圧倒的な空間から外に出ると、晴れ渡った光がまぶしい現実の世界に戻りました。

次は金堂の拝観へ・・・と講堂を振り向いた時、太陽の光が当たった講堂の屋根がとても美しく感動!
友人からいぶし瓦の説明を先に受けていたので、あぁ、本当にまだらな色合いが味わい深くて素敵だなぁと感じました。

年月が経てば経つほど味わいの出る色合い。

仏像や骨董品、そしてこの講堂の屋根など、年月を、歴史を重ねてきたからこそ出せる凛々しさ、美しさ。
まさに【わびさび】なのでしょうか。
若いときにはよくわからなかったこと。

私も年を重ねたからこそ出せる味わいのある人を目指して。
年を重ねることは美しいことなんだと、自信をもてるように。

美しい屋根にも見とれる価値は充分ですが、もちろん講堂の内部、立体曼陀羅は必見です!!

訪問日時:2018年3月17日 記:あやこ

 
 

文化財の名称:黄檗山萬福寺 ひし形石の参道

文化浴の種類:建造物文化財 寺院

所在地:京都府宇治市五ヶ庄三番割34

アクセス:JR奈良線または京阪宇治線「黄檗駅」より徒歩5分

黄檗山萬福寺は1661年、中国僧の隠元禅師が開創された寺院。
日本三大禅宗(臨済宗、曹洞宗、黄檗宗)のひとつ黄檗宗の大本山です。

萬福寺は建築、美術、精進料理に至るまで、中国色が強いことが特徴で、日本のお寺とは趣が違います。
隠元豆はさることながら、西瓜、蓮根、孟宗竹、木魚なども隠元禅師請来によるものです。
また隠元禅師から続く歴代住職の多くは中国人でした。

参道にはひし形の石が並んでおり、龍の鱗、龍の蛇腹を模したと伝わっています。
このひし形石の参道は禅寺に多く見られるものです。

滞在時間の目安:10分

 
 

【簡素な美しさが映える参道】

-こんな時に訪れてみよう!- (侘び寂びたい)

参道好きな私のお気に入りの参道がまたひとつ増えました。

ずっと行きたい行きたいと思いながら、なかなか訪れる機会がなかった萬福寺。

総門をくぐったときから、わぁ~異国だ!と感動しました。
それは奥に進んでいくたびに深まっていきます。
奥へ奥へとつながる参道にはひし形の石がつづいていきます。

なぜだか幼い頃「けんけんぱ」をした懐かしい記憶がめぐり、それでいて異国情緒!
とっても不思議な感覚になりました。

そして、ひし形石の参道で一番気に入ったスポットは大雄宝殿から法堂へとつづくところ。まさにクライマックス。

簡素さがとても美しい。
加算していく(飾っていく)美しさもありますが、余計なものを削いでいく引き算の美しさもまた潔くて美しい。

その参道を進んだ向こうの法堂の奥には、この簡素な参道とは裏腹に、なにかとてつもない華やかで美しいものが隠されているような・・・。
そんな想像力をかきたてられ、静けさの中でしばしその空間に見とれてしまいました。

訪問日時:2018年1月27日 記:あやこ

 
 

文化財の名称:智積院長谷川一門の障壁画

文化浴の種類:美術品文化財 絵画

所在地:京都市東山区東大路七条下ル東瓦町964

アクセス:京阪七條駅より徒歩約10分

お薦めのお寺や神社ってどこですか?
と、聞かれることが多いのですが、それぞれ個性や魅力があって、何を基準にするかで答えは随分変わってきます。

交通の便が良い、混んでいない、ゆっくりほっこりできる、品が良い、美しい、歴史があって時を忘れることができる。
といった基準でいくと、私は必ず「智積院」と答えます。
中でも宝物館の長谷川等伯、久蔵親子の楓図、桜図は欠かせません。

天正19(1591)年、豊臣秀吉の愛児鶴松がわずか三歳で早世し、悲しんだ秀吉は全てを尽くして菩提寺祥雲寺を建立しました。堂内を荘厳する障壁画は、本来狩野派が制作する予定でしたが、前年の狩野永徳の死と派内の混乱もあってか、長谷川等伯一門が制作するところとなりました。

祥雲寺は秀吉没後、徳川家康によって廃絶され、寺領は智積院に与えられました。

滞在時間の目安:20分

 
 

【切なさの表現、究極の美】

-こんな時に訪れてみよう!- (侘び寂びたい)

幼子の早世を悼むように、大広間一面に描かれた春夏秋冬の大木と草花。
最初、目が慣れないうちは、退色した絵具に何を観たらよいのかわからないかもしれません。
けれど、しばらく身を置いていると、様々な草花が「風」にたなびいている様子を感じ始めます。

狩野派と比較されることの多い長谷川派。
長谷川派にあって狩野派にないもの・・・それは「風」かもしれません。
「風」が絵に入ることで、すべての生き物が息吹き、豊かな感情が躍り出すように感じられるのです。

大画面に耐えうるダイナミックな樹木。
けれども威圧感を受けない繊細な草花。
ダイナミックとデリケート。対照的な心も見え隠れします。

「風」と「対照」が、鶴松を悼む切なさの表現、究極の美のような・・・気がします。

訪問日時:2017年10月20日 記:ともえ

 
 

文化財の名称:青蓮院 一文字手水鉢

文化浴の種類:建造物文化財 神社

所在地:京都市東山区粟田口三条坊町69―1

アクセス:

青蓮院門跡の華頂殿から小御所に向かう渡り廊下の一角にある豊臣秀吉寄進による大きな一文字の手水鉢。

滞在時間の目安:3分

 
 

【水面に映る季節と心の移ろい】

-こんな時に訪れてみよう!- (侘び寂びたい)

一文字の大きな手水鉢。静かな渡り廊下の一角にあります。水面には、落ちた葉っぱと映る空・・・いと麗しき☆
水面を眺めていると、いつの間にか癒される。僅かな空間に心が洗われるから不思議。
季節の移ろいと共に、水面に映る雲の形も葉っぱの色も移ろうのですね。普段なら意識しないそんなことを、こういう世界ではグッと意識できる。そんなささやかな時間が人生には時々、必要なんだと思います。
数百年もじっと、季節の移ろいを映してきたその一文字の水面は、品格があり、そしてどこか寂し気にも観えました。

訪問日時:2016年11月 3日 記:あやこ

 
 

文化財の名称:圓徳院の北庭

文化浴の種類:記念物 名勝

所在地:京都府京都市東山区下河原通八坂鳥居前下る下河原町530

アクセス:市バス東山安井駅から徒歩10分

ここは、豊臣秀吉という波乱の生涯を見送った正室ねねが、秀吉との思い出深い伏見城の化粧御殿と、その前庭を移築して移り住んだ終の棲家。

58歳から77歳までの19年間をここで暮らしたねね。引っ越し早々関ヶ原の戦い、大坂冬の陣、夏の陣、豊臣家滅亡・・・栄枯盛衰なる豊臣家に何を思い暮らしたのでしょう。

圓徳院北庭は、珍しく水の無い池泉回遊式庭園。そしてふんだんに巨石が置かれているのが特徴です。巨石は秀吉に仕えた大名たちが捧げたもので、裏を返せば名が刻まれているものもあるとか。国の名勝指定です。

滞在時間の目安:30分

 
 

【天下太平ここにあり・・・】

-こんな時に訪れてみよう!- (侘び寂びたい)

哀しいけれど優しい・・・そんな空気が漂う庭です。高桐院の庭にも同じような哀しさと優しさの共存を感じたのですが、きっとどちらの庭も、戦国の世が終わった静寂と亡き人を弔うオーナーの心が溢れているのだと思います。

大名たちが献上した巨石に、それぞれの顔を思い浮かべながら、ここに落ち着くねねさんが居たことを感じます。庭のぐるりの楓のように、大らかに彼らを包んで。哀しくも静かに・・・天下太平ここにあり・・・と。

訪問日時:2016年11月 3日 記:ともえ

 

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