文化浴ポイント京都編

 

文化財の名称:仲源寺の目やみ地蔵

文化浴の種類:アート浴 仏像

所在地:京都市東山区四条通大和大路東入ル祇園町南側585-1

アクセス:京阪祇園四条駅から徒歩3分 阪急河原町駅から徒歩5分 市バス市場京阪駅前から徒歩3分 四条河原町駅から徒歩7分

由緒書きによると、仲源寺のご本尊は、2つのドラマが伝わるお地蔵様。豪雨の鴨川に溺れる人を救った雨止み(アメヤミ)の物語と、老夫婦の眼病を身代わりになって救った目病み(メヤミ)の物語。

まるで我が子を護る母のように身を投げ打つ地蔵菩薩の深くて大きな愛の物語。そもそも地蔵菩薩は読んで字のごとく母なる「大地」。我が子のような人間に、愛の姿を背中で見せて下さっているのかもしれませんね。

因みに、濁流の溺れ人を救うお地蔵様を目撃したのは、鴨川の堤防修復のための派遣職員、中原朝臣為兼氏。目撃体験から、自身の名字に「人」と「水」を部首に加えて命名されたのが、「仲源寺」なのです。人と水。仲間の源。

古来、日本は自然災害の多い国。ゆえにお互いに協力し合い、助け合いを紡いできた背景・・・命や文化の原点を示唆するような寺名です。

滞在時間の目安:20分

 
 

【無償の愛、この世の悲しみと希望】

-こんな時に訪れてみよう!- (無償の愛にふれたい)

お参りのあと、堂内を覗いてお地蔵様とアイコンタクトをしてみましょう。その眼光は左右で対照的な光を放っています。

眼病を身代わりになられた右目は赤く鈍く光り、物悲しく涙を流しているように、私には感じられました。自然の脅威、生老病死・・・どうしようもなく深い哀しみがこの世にあることを、大地の底から語り掛けるように。

反対に眩しく光を放つ左目は、そんな深い哀しみにも希望があることを感じさせてくれる・・・光明に感じられました。

雨止みと目やみの2つの物語はドキュメントなのかフィクションなのか?いずれにせよ昔の人が、このお地蔵様の物語を通して、この世には悲しみがあること。愛や優しさもあること。そして人助けの心を大切に伝えてきたことを感じずにはいられませんでした。

訪問日時:2016年6月15日 記:ともえ

 

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